僕は20年フォークリフトのバッテリー修理の仕事をしています。

皆さんは電動式フォークリフトの動力であるバッテリーは、パワーが落ちてきたら修理して回復できるということを知っていますか。

バッテリーは、消耗品だから劣化していくのは仕方がない。
数年も使えばパワーが落ちてくるもの。
物理的な劣化は、避けようがない。
修理できるなんて聞いたことないよ。

多くの人はバッテリーは消耗品であって、経年劣化していくものだ、その劣化をくい止めたり、回復させることはできないと思い込んでいるみたいですが、フォークリフトのバッテリーは修理で回復できるのです。

なぜそう言い切ることができるかといいますと、僕は20年フォークリフト修理にたずさわってきて、いろんな状況に陥ってパワーがダウンしているバッテリーをすべて回復させてきたからです。
人は僕のことをバッテリー修理のプロフェッショナルとよびます。

フォークリフトのバッテリー点検においてヒアリングは重要です。
どんな環境で、どんな使い方をしているのかということは、バッテリーにどんな影響を与えてしまっているのかを知る手がかりになるからです。

上司に「どうやってお客様に質問したらいいですか」とアドバイスを聞いた時に

「笑顔で〜、お客様が話しやすい雰囲気をつくって〜」
「お客様の目を見て〜、相槌をうって聞きながら〜」

なんてありきたりのことを言う人がいますが、これは自分が仕事に来ていることを忘れて、キャバクラに行ってキャバ嬢と会話しているみたいなことと混同してしまっている人です。

 

こんなことでは修理に必要な情報を引き出すことはできません。

僕は黙秘している万引き犯を脅すことなく、カツ丼を食わせることなく、5秒で自白させる自信があります。

フォークリフトの修理時に確認することといえば案外、単純なことであるが故に、お客様にとって言いづらいものでもあります。
なぜならば、日ごろフォークリフトをどのような感じて扱い、どのような管理をしているかということを聞くからです。
フォークリフトのバッテリー管理まで手が回らないことが多く、放ったらかしにしてしまいがちだからです。
しかし僕は普通に当然のようにスパッと聞きます。
これができるのは、メンテナンスマンとしての戦闘力をお客様が認めてくれているからです。
つまり信頼が前提となっているからです。

たとえばお腹が痛くなって病院に行った時、お医者さんから「大便いつしましたか」と聞かれたとします。
なんでそんな恥ずかしいことを答えなければいけないんですかと思うと思います。
お腹が痛いと言っている患者さんに対して、大便をいつしましたかと聞くのは医者として当たり前のことです。
むしろプロの医者としてそれを聞かないと、治療法とか薬の処方とかをできないからです。

フォークリフトでも同じです。
案外、スパッと聞けない又は、聞かないメンテナンスマンが多いのです。
なので、僕は自分の立場を利用して、当然のようにスパッと聞きます。
これがベストなのです。

とはいえ、まだ信頼関が積み上がっていないお客様に対しては、どうやってヒアリングをするのかと言いますと、
ヒアリングする正当な理由を前もって言ってからヒアリングします。

 

「今からいくつかご質問させて頂いてもいいですか〜」

なんて前置きしながら、ヒアリングする意味や名目を言ってから始めるのがいいと思います。
なぜならば、「情報をはっきりと言ったほうが、早く修理してもらって、良い提案をしてもらえるんだ」というイメージをもってもらうためです。

ではここでヒアリングする内容の一例を上げます。

まず「ディーラーさんに点検してもらいましたか、どう言ってました」
もちろんディーラーに見てもらっても解決できなかったから僕を呼んだのはわかっています。
これはディーラーのメンテナンスレベルを確認するための質問なんです。

次に「補水チェックは、どのくらいの間隔でされていますか」
これはちゃんと最低限のメンテナンスをやっているかを確認するための質問です。
この質問を嫌がるお客様が多くて、ほとんどの方が、「やってます」というアバウトな返事をされます。
その時は、「やってないんだな」と解釈して、それ以上ツッコまないようにしています。

またどんな環境で、どんな使い方をしているのかもスパッと聞いてしまいます。
ここを聞けないメンテナンスマンがいますが、これはメンテナンスマンとしてのプロ意識の問題だと思います。

聞かないといけないことは、プロとして聞く。
これはお客様に対する誠意であります。
むしろそれをしないと駄目なメンテナンスマンということなのです。