僕は20年フォークリフトのバッテリー修理の仕事をしてきました。

皆さんは電動式フォークリフトの動力であるバッテリーは、パワーが落ちてきたら修理して回復できるということを知っていますか。

バッテリーは、消耗品だから劣化していくのは仕方がない。
数年も使えばパワーが落ちてくるもの。
物理的な劣化は、避けようがない。
修理できるなんて聞いたことないよ。

多くの人はバッテリーは消耗品であって、経年劣化していくものだ、その劣化をくい止めたり、回復させることはできないと思い込んでいるみたいですが、フォークリフトのバッテリーは修理で回復できるのです。

なぜそう言い切ることができるかといいますと、僕は20年フォークリフト修理にたずさわってきて、いろんな状況に陥ってパワーがダウンしているバッテリーをすべて回復させてきたからです。

このフォークリフトのバッテリー修理を受ける際に大事なことはヒアリングです。
まずどんな状態なのか、どうしてほしいのかなどたくさんありますが、フォークリフトのトラブルが起こった時というのは、仕事が途中で中断してしまうことになるので、現場のお客様はメッチャ焦るんですね。
頭の中がパニックになるわけです。
だからこそパニクっているお客様の頭の中から本音をしっかりと聞くことが大切になるんです。

よくアドバイスをする上司がこんな事を言いますが、
「眼の前の人の目をしっかりと見て、話に相槌を打ちながら、こういう事を質問すればいいんだ〜、そしたら相手がしゃべってくれるよ」
みたいな!
こういうなんか表面のペラペラしたヒアリングノウハウが巷にあふれかえっているんですけど、
マジでヒアリングが上手い人っていうのは、テクニックやノウハウではないと思うんです。
重要なのは聞く時のスタンス、つまり態度、姿勢にあると思うんです。

これは私の実体験ですが、
私が新人のピヨピヨの頃なんですが、メッチャ売上を上げている現役スーパーセールス、ベテランおっさん営業マンと話しをする機会がありまして、その人に自分の仕事の悩みを聞いてもらったことがあったんですね。
僕も舞い上がってしまって、その人から何かを吸収しなくてはという感じで
「こうで、こうで〜、こういう状況で〜」
なんて一方的にしゃべりまくったんてす。
その時、そのベテランスーパー営業マンのおっさんが、僕の話しを聞いて
「うん、うん〜、あ〜あ〜、うんうん」
なんて何も言わずに、チョイチョイ相槌だけで、ずっと僕の話しを聞いているんです。
この感覚がわかる人にしかわからないと思うんですけど、その時の僕の感覚として
「うわ〜メッチャ聞かれてる〜」
僕の発する言葉と気持とテンション、感情のすべてをこの人に全部聞かれてる〜みたいな感じになったんですわ。
話しているのは僕なのにもかかわらず、全身鳥肌が立ってくるんです。
「メッチャ聞かれてる〜」
背中ゾクゾクって感じですわ。
僕の話しを全部吸収されているんじゃないかと思いました。

皆さんの周りにもクソ重厚な上司がいると思うんです。
得意先に課長を連れて行ったら、即決で決まるという営業パターンですわ。
包容力エグイとか、吸引力エグイとか、
話しを抜き取るプロ
という感じです。
ヒアリングというと、ただ質問してお客様から情報を話してもらえればいいということではなくて、
「本当はここまで話すつもりはなかったんだけれど」みたいなのとこまでこの人に話してしまった、
こういう人がヒアリングのプロであり、「聞くプロ」だと思うんです。

聞くプロの人のイメージというのはどういうものかと言いますと、
頭の中のモーターが回転している感じなんですね。
脳みそから、フルにモーターが回っている音が聞こえてくるぐらいなんです。
つまり吸引力が凄いんです。
しゃべっているのに、なんかデッカイ掃除機て、僕の言葉を吸い込まれているみたいな感じです。
ヒアリングされている。
抜かれている。
話しするつもりなかったのにしゃべってしまう。
みたいな魔力にかかったみたいな感覚になってしまうんですよ。

さらにもう一つヒアリングの達人は、聞いているのに、その姿勢は攻めているんです。

重要な情報を引き出せないという人は、やっぱりヒアリング力がしょぼいんですよ。
つまり受け身のヒアリングなんです。
言われたことだけを受け身で聞くみたいなことです。

そうじゃなくて、話し手の言葉のシャワーを浴びているんじゃなくて、自分からそのシャワーを浴びにいっている感じですわ。

どうすればそんな凄いヒアリングのプロになれるかということですが、
聞いている話の内容の対応処理が余裕で追いついてるんですね。

なるほど、なるほど、俺の膨大な経験によると、こういったことに悩んでいるんだな。
そして今、こういう気持なんだな。
俺も昔、こういう時代があった。
ならばこう考えるべきだ。

なんてふうに、話しを聞いている中で、すでにその内容に追いついて、追い越しているんですよ。
完全なる余裕で聞いているんです。
これは経験や知識によるものだと思います。

そのうえで、ヒアリングのプロというのは、眼の前の人がバーとしゃべってきて、その答えはこうだとわかっていても、そこで話の流れを切らないんです。
話の内容とその答えはわかっていても、さらに話し手の感情の動きとか、テンションの高さなどの情報を収集しているんです。
情報収集のスタンスを切らない。
これが、話し手が感じる「言葉が吸い込まれている」「メッチャ話しを聞かれている」みたいな感覚になる要因なんです。

ただここで勘違いしてはいけないのは、ヒアリングというのは傾聴力ではないということです。
友達が酒飲みすぎて背中をさすってやるみたいな感じては弱すぎるんです。
やっぱり吸引力なんです。

僕の仕事であるフォークリフトの修理も同じです。
まずお客様の悩みやトラブルを充分にヒアリングすることを大切にしています。
お客様の言葉と気持と心配を頭の中に吸引し、
そしてその中で最良のアドバイスをしていくことに心がけています。

フォークリフトのバッテリー修理について、僕に聞いてもらいたいことありませんか。