修行日記☆受戒…真別処 円通律寺

この６月２・３・４日の３日間、

高野山の円通律寺という修行道場にて

３つの戒律のお授けを頂いてきました。

本来は得度の次に受戒という流れですが、

諸々の都合も重なり、加行の途中で

授けて頂く事になりました。

※得度は２年前

これは『受戒』と呼ばれるもので

一人前の僧侶になるためには

必ず通らねばならない道で、今は

３日間の儀式のようになっていますが

本来は、１つの戒律を師僧に頂いて

数年の修行の頑張りが認められた時に、

２つ目の戒律を頂き…また修行に励み

数年後にようやく３つ目の戒律を頂く。

そのようなものであると教わっています。

先述の通り、現在は儀式のように

たった３日間で３つの戒律を頂戴できる

システムですが本当の意味はそうなんやと

有難みを忘れず心に刻みました

この円通律寺は通称真別処と呼ばれ

僧侶になるための修行道場であります。

勉強中の若いお坊さん以外は立入禁止で、

尼僧さんはここでは修行できません。

真別処は、空海の十大弟子であり

甥っ子（お姉ちゃんの息子）でもあり

側近中の側近で、大師に寵愛されていた

あの智泉さんの開基と伝わります。

年に一度、旧暦の花まつりの日には

一般人も真別処に入れるようですよ。

（境内でお釈迦様に甘茶がけしたり）

真別処には、先生方や配達員のための

車道がありますが、国道371号線から

ピロっ！と本当にわからない細い所で、

もちろん行者は車禁止、送迎も禁止、

山内のメインストリートから徒歩で

３０分弱かけて山道をトコトコ行きます

恵光院と熊谷寺の間にある一本道で、

迷ってしまう事はほぼありません。

野性的な山道をトコトコ行きます

フカフカした山道をしばらく歩き進むと、

山の良い香りでいっぱいになりました

もっと進むと、ちょっと下にあるはずの

メインストリートの車の音すら聞こえず

シーン…とした静寂に包まれました。

ハァハァという自分の息しか聞こえません。

途中、小さな川を超えたり

ゴツゴツとした小岩の道になり、

足場は良いとは言えませんが

丸太の階段も作ってくれています。

山道を登り続けた一回目の頂上付近は

『弥勒峠』で高野女人道と繋がります。

（この女人道マップの２３番）

※真別処への道はこのマップに載ってないよ

弥勒峠で左折せずひたすら真っ直ぐです。

頂上に弥勒さんがおまつりされていて、

ご挨拶と無事の成満を祈りました。

このポイントからは今度はひたすら

下り道になり、まだ歩いて行くと

車道？に合流しました

足場は砂利で、また登りになります。

『入れません』のお知らせが何回も…

その先には

開門を待つ有縁の同士さんが全国から

受戒は1年に1度、6月にあるのですが

昨年はコロナの影響で中止になりました。

私にとって覚悟の待望の６月でしたよ

『入るな』を横目に入ってゆくたまご

修行に行くのにどんな事やるんですか？と

もちろん愚問でありますが…

性格上、無計画を避けたい方でして

中での修行内容が気になって気になって

ネットで調べてもあまり出てこないし（当然）

出てきても古い情報だったり…

先生も数年ごとに変わりますし…。

お坊さん先輩に何人かお尋ねしても

『まぁ、とにかく頑張っておいで』

としかおっしゃらないので（笑）

前日は緊張で全然眠れませんでした。

→そしてめちゃくちゃ修行に差し支えるの巻

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１日目

仏名会。

過去・現在・未来の1000仏、あわせて

3000仏の名を唱えつつ五体投地をし、

懺悔をし、罪障消滅するための儀式です。

さ、三千回も五体投地と

恐れおののいていましたが、

略式でしたので３００回でした。

といっても、他にしょっちゅう『三礼』が

挟まれて、合計で３７０回ぐらいでした。

長跪（ちょうき）の姿勢をとる事も長く、

まずこの初日で膝と太ももが潰れます

心身共に懺悔し、今世でのこと…そして

覚えていない前世での行いもすべて…。

そして完全に清らかな状態となった時、

法印さまから清浄なる水をかけて頂き

清浄な菩薩の一員になれるのです。

清らかになった上で頂いた1つ目の戒は

菩薩戒

内容はいわゆる十善戒でした。

⬆※これは自作のメモですよ（笑）

修行の基本中の基本を授かる訳です。

今年の法印さまは、稲葉法研大僧正

※法印というのはお大師さまに代わって、

　重要な法要や儀式の導師をつとめる

　真言宗最高の僧位でいらっしゃいます。

初日が最もキツイと聞いていましたので、

乗り切った喜びですでにいっぱい

脚はもう痛くて熱を持ってガクガクで

（とくに段をおりるとか、椅子から立つとか

  どこか持たないと無理なレベルです。

  歩き方は産まれたての小鹿です。）

しかし気を緩めず２日目に備えました。

２日目

求寂戒（ぐじゃくかい）

沙彌戒（私は尼僧ですので沙彌尼戒）、

いわゆる見習い小僧が授かる戒です。

３日目

苾蒭戒（びっしゅかい）

お大師さまが31才の時に、

　東大寺で受けられた具足戒が

　これにあたりますよ

同じ真言宗でも他の派では受戒をしない

所もあり、やはり若き日のお大師さまと

同じ経験をさせて頂けるというのは、

この上ない感謝の気持ちがあふれます。

式が進むにあたって、法印さまの読まれる

難しいお言葉の理解はたいへん難しく、

しかし都度最後に『よく保つや否や？』と

おっしゃいますので、一同お返事で

都度『よく保つ！』と答えるんですが…

あとから分かった戒律の内容が

十善戒はもちろん、、、

身を飾らない（化粧、ブレス等禁止）

宝飾や貯金をしない、家を持たない、

芸能鑑賞の禁止、食事以外は食べない

持って良いのは６つのものだけ。

最後に別室で高野山の先生が

『あなた方は本日、よく保つ！と

法印さまにお答えしましたけども、

今日からは仕事でお金を稼いだり

家に帰ってベッドで寝たら、

それは戒律違反になります～。

本来はね！

本来お坊さんとはそういうものです。』

よく保つ！言っちゃったよォ

てか、これから車を運転して帰るし

受戒して１時間で戒律違反や…

今後も懺悔し続けやなあかん

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体の中で最も聖なる部位、右肩を

仏様に見せながら、御堂の中を右回りに

３回まわってから式がはじまりますが、

その時でないと近づけない仏像が

左側にいらした古い五大虚空蔵菩薩が

オーラ強烈で、ものすごかったです

百礼の時に私から真正面に見えていた

不動明王のお顔も忘れられません。

またいつか花まつりの日に行けたら、

ゆっくり拝ませて頂きたいです。

高野山には、何か法会があるときには

ドバァと大雨が降る時が多いそうです。

（聖域を浄化するため洗い流すらしい）

そして３日目はキッチリ大雨でした。

不思議ですね。

そういえば本日はお大師さまのお誕生日

お大師さま１２４７才おめでとう

高野山在住の方とたまたま話ましたが、

午前中ビックリするほどの土砂降りに

なったらしいです。

お大師さんのために善女竜王さんが、

清めてくださったんでしょうかね

振り返れば３日間はあっという間で、

肉体の悲鳴より魂が歓喜してるのが

はるかに大きくて自分の人生の中の

夢のような３日間でした

ありがとうございます…

ありがとうございます…

ありがとうございます…

百千万却難遭遇

悟りを得ることよりも、この密教に

遭える事の方がはるかに難しいと、

恵果阿闍梨は若き日のお大師さんに

おっしゃったそうですが、それは実に

YES！高須クリニック！

ほんま急にゴメン

仏縁の有難さって何たるものか

百礼の途中で涙が流れてきました…。

（感謝の涙80％・肉体の過酷さの涙20％）

今までより更に、清く間違いなく

そして深い意味で面白く生きよう

前のときに自分が（前世でって事ね）

やりたかったけど出来なかった続き。

ミッションやったのにサボった続き。

助けてもらった恩返しの途中やのに

未完了のままでいてしまった続き。

前世の記憶は神様に渡す約束なので

今の脳ミソはまったく覚えてませんが、

そういう事もあったかも知れませんね。

これからも多くの経験をするために、

もっともっと体も大事にしよう

長らく更新できなかったブログですが、

今日も読んでくれて本当にありがとう

間違いなく仏縁でつながっているから

この記事を読んで下さっています

素敵なあなたに良い事が起きますように。

皆が楽しいお出かけもできますように。

※おまけ

受戒に出かける前、ネットバンクで初めて

宝くじを買ってみようという気になりました。

『楽天銀行でナンバーズが買えます』と

目に入ったので、試しに1口（200円）。

数字は自分のお誕生日１月１７日なので、

と何気に個人情報をさらすたまご

１１７ストレートにしました。

高野山から帰ってきてビックリ

的中だけじゃなく、何にビビったかというと

受戒の代金＋宿泊代＋昼食代にかかった

お金が62,700円だったからです・・・

1円も残らんと・・・

こ、こ、これは、誰かどちらかの仏さまが

きっと応援して下さってる印なのかと

円通律寺（真別処）

〒648-0211

和歌山県伊都郡高野町高野山４９９

0736-56-2655