☆BTE 2021-12-13記
When You’re smiling:

 

この歌は、意味や、その気持ちもよく分かります。それを日本語で歌うとき、どういう風に言葉にしたらよいのか、音符と合わせるのにどうするのか、という問題です。

 

それと、「smile」という言葉が、日本語で、どうなるのかという、簡単そうで、面倒な問題もあります。日本語で、「笑う」という言葉と、「微笑み」という、少し、控えめな言葉とありますが、その兼ね合いで、この歌をどう理解したらよいのかという事に、日本語では迷う事になります。

 

英語では、「笑う」という意味の言葉に、「laugh」がありますが、この歌が、「laugh」でなくて、「smile」を使っているので、日本語の、「笑う」に収約できない所があり、それで、迷います。

実際、この歌詞の中にも、「laugh」があって、それと対になる言葉は、「cry(泣く)」のようです。

 

そして、この歌の結論は、「smile」だよ、という事で、日本語の場合、笑っていいのか、笑わなくてもいいのか、控えめに笑うのか、などと、考えてしまします。それと、最後は、「ほほえみ」ってなんだっけになります。我々が知っているのは、「モナリザ」ですが、それでいいのか、なかなか、その境地には達せられなくて、禅問答のような事になります。

 

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When You’re smiling (1928)

written by Mark fisher / joe goodwin / larry shay


「When You’re smiling」英語詩:

曲名:きみほほえむとき

美艇香津 訳詩

 

When you're smiling
 ほほえみ
When you're smiling
 あなたのほほえみに
The whole world smiles with you
 せかいも、いっしょに、ほほえむ


When you're laughing
 あなたがわらう
When you're laughing
 あなたがわらうと
The sun comes shining thru
 おひさまもかがやく

 

But when you're crying
 あなたがなくと
You bring on the rain
 それはあめになる
So stop your sighing be happy again
 ためいきはやめて、しあわせにして、

 

Keep on smiling
 いつもほほえみ
'cause when you're smiling
 そうすれば
The whole world smiles with you
 せかいもほほえむから

 

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さっそく、1行目、

 

When you're smiling
 ほほえみ

 

さっそく、パソコンの自動翻訳で見ると、

 

あなたが笑っているとき

⇒あなたが微笑んでいる時

 

もう、「笑い」と「ほほえみ」のどちらも出て来ます。どっちにしようかなと考えている間に、音符は少なくて、この訳文を全部歌うと、文字が余ってしまいます。

 

そこで考えてみると、歌の出だしと言う事もあって、これから何が歌われるのか、まだ分かっていませんから、「笑う」は、それがどういう笑いなのかと気が回ります。それに対して、「ほほえみ」だと、「笑い」ではあるけれど、それがどういう笑いであるかについての情報も入っています。しかも、どうやら、それが、この後の歌詞を見ると、合っていそうです。それで、ここは、「ほほえみ」を採用する事になります。

 

そうすると、問題の残りは、音符に言葉を合わせる事に集中できます。「When」があるので、「..の時に」とするのか、そして、「You」、省略できそうな、「あなた」を、入れるかどうかです。「ほほえみのとき」とか、「あなたがほほえむ」とか、考えたとします。そうして、ふと見ると、次の行にも、同じ文が繰り返されていることが分かります。

 

という事は、この、初めの2行で、同じテーマを提出、表現すればよいので、説明は2行目に回して、1行目は、思いっ切り絞り込みます。なので、

 

 ほほえみ


When you're smiling
 あなたのほほえみに

 

この2行目で、言いたいことを完結させます。「..の時に」は、日本語の助詞、「に」、で言えているようです。また、この、「に」、のお蔭で、その前の語は、名詞で、「ほほえみ」、になりました。ここで、「ほほえむ」とか、「ほほえんでいる」を使うと、助詞の「に」に、時間の経過を含めたすべてを担わせることは難しいと言う事に気が付きます。..日本語ネイティブの感想ですが。

 

そして、次の行です。

 

The whole world smiles with you
 せかいも、いっしょに、ほほえむ

 

 whole  全体の、すべての

 

これも、パソコンの自動翻訳で見ると、

 

⇒全世界があなたと微笑む

 

分かりやすい英語です。

 

訳詩として補強したいのは、「いっしょに」と付け加えることだけです。「全世界」の「全」は、なくてもいいですね。そして、それは、自分の「ほほえみ」と同じく、ということですから、助詞の、「も」になります。そして、「あなた」、の語を省略するのは、散文でなく、歌でもありますし、日本語的には分かって居る事です。英語では、「you」を入れないと、きっと落ち着かないと言う事ですね。だから、

 

 せかいも、いっしょに、ほほえむ

 

ここで、一区切りがつきました。そして、次に進みます。

 

When you're laughing
 あなたがわらう

 

ここで、「laugh」が出て来ました。もう、そのまま、「わらう」でいいですね。次の行も、同じ文ですが、ここは、文のすべてを省いて、「わらい」などと歌う必要はありません。もっと丁寧に、言いたいことを言って、それが少し忙しくても、聴く方は、それを受け入れるだけの余裕のある体制になっているからです。もう、物語は始まっているので、言葉を必要なだけ提示されて、聴く方が戸惑う事はありません。

 

そうすると、次の行で、同じ文ですが、助詞の、「と」、を付けて、その先への弾みを付けます。ここで、この「と」についての事を、「何の事?」と言うようでは、日本語ネイティブとは言えないでしょう。今、聴いているのは、日本語の歌なのです。

 

When you're laughing
 あなたがわらうと

 

そうすれば、お話は、教えてくれます。

 

The sun comes shining thru
 おひさまもかがやく

 

「太陽」(「たいよう」)でなくて、「おひさま」とします。「たいよう」だと、聴く方で、一度、漢字に変換して、さらに、「太」とか「陽」の意味まで、自分の中に再生させようとします。その行き着く先は、「おひさま」です。「ひ」(火)に、経緯と感謝を表す、「お(御)」と「さま(様)」が付いているのが、日本語らしいですね。

 

 thru 「through」です。

 shining  輝いている(「shine」です。)

 

そして、一方、こんな事も言います。

 

But when you're crying
 あなたがなくと

 

もしも、「ほほえみ」や「わらい」でなくて、「泣く」、「泣き顔」なら、です。それは、その「あなた」が原因となる事が起きるよ、というのです。これは、この歌、お話の教えなので、誰が、どこの偉い人が、そう言っているのかと聞いても、それは分かりません。この歌の教えなのです。どこの国の法律で、そう決まってるのか、とか、どういう物理法則でそうなっているのか、などは、考えるのは無駄です。

 

You bring on the rain
 それはあめになる

 

 bring on  持って来る、引き起こす

 

あなたが「泣く」のが原因で、「雨になる」というのです。

 

パソコンの自動翻訳で見ると、

 

⇒あなたは雨を引き起こす

⇒あなたは雨を降らせます

 

文の意味は、そう言う事です。でも、歌では、「あなた」は言いません。もう、そうだと分かっているのに、また、重ねて、「あなたが」と言われると、しつこくて、嫌ですね。

 

だから、と、この歌は教えます。

 

So stop your sighing be happy again
 ためいきはやめて、しあわせにして、

 

 sigh  ため息

 happy  幸せ、幸福

 

「ため息をつくのは止めて、ハッピーでいて」、です。それも、「again」(もう一度)、とあなたの気持ちを揺さぶります。前にそうだったんだから、今、出来ない事はない、そう言う事ですね。

 

「だから」、とか、「もう一度」、とか、もちろん、「あなたの」、という語は、省きます。自分の事だから、分かっているよね、分かっているはず、と囁くのです。

 

「『しあわせにして』ってどうする事?」って聞く人も居るかもしれません。でも、「お話」は、それ以上は言いません。自分で考えて、という事か、「当たり前の事を聞くな!」とか、言う事でしょう。

 

そして、次の連に進み、この歌のテーマが、繰り返されます。ただ、ここで言っていることは、「laugh」(笑う)でなくて、「smile」(ほほえむ)だという事が、日本語で聴く人を、ちょっとだけ、考えさせます。

 

Keep on smiling
 いつもほほえみ

 

 keep on  ..し続ける

 

「ほほえみ続けて」と言うと、その作業が、それを24時間続けるという体力があるのか、という問題になります。そう言う事を言っているわけではないので、「いつも」、でよいのです。

 

 いつもほほえみ

 

この歌の最後の2行は、こうすれば、こうなる、という事を確認するだけです。

 

'cause when you're smiling
 そうすれば

 

「なぜなら、あなたがほほえんでいるとき」と、詳しく言って聞かせてくれなくても、聴いてる方は、もう、その結論を知っているのです。だから、その理由は、もう、ここまで、言って来てるので、

 

 そうすれば

 

The whole world smiles with you
 せかいもほほえむから

 

..です!。

 

 

-完-

 

(余白残興)

 2021.12.13記:

 

どうしても、「笑う」と「ほほえむ」の区別がつきかねるのが、大方の日本人ではないでしょうか。「ほほえむ」って、「笑う」に入るのか、心の中で疑問に思っています。やはり、「モナリザ」の微笑みが気になってしまうのです。自分が「笑う」と、世界も、「笑う」、なら、分かりやすいのです。

 

余計な事ですが、「ほほえむ」を、その表情など、具体的に考えてみると、それは、冷やかし気分であったり、「皮肉な」ほほえみであったりします。それは、もう、「smile」の本旨から外れているので、やはり、簡単なように見えて、ここにも、英語と日本語の、意味する所の差が、文化的な差異がありそうです。だから、この歌の「smile」が理解できたとしたら、それは幸せな事ですね。


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