2年前、糀谷での建替相談を受け、見に行った現地は、間口5m奥行き17mの細長い敷地。周囲は高い建物に囲まれ、旧家の中は日中でも真っ暗。照明をつけないと日中も過ごせないと。幸い前面道路が広いので、道路側は採光が期待できますが、家の真ん中は別世界。さて、どうするか・・・。建物の真ん中に、坪庭を設け、天空光を建物の真ん中に落とし込み、周囲の部屋を明るくさせる方法と、開閉式トップライトを付け、風を取り込みながら、日中の日差しを降ろす方法を提案。ご要望の間取りを伺うと、3階建てで、敷地を最大限利用しなければ各要求室の条件を満たせず、贅沢空間の坪庭はここで却下。確かに、今回の敷地での坪庭は、敷地の地下水位が高く、且つ四方が高い建物に囲まれ、風を拾い落とし込むことが余り期待できない為、ただ湿った空間になる恐れも想定できたので納得。そこで、トップライトを採用する方向で決定。ここで問題は3階建ての屋根にトップライトをつけても、3階は明るくなるが、2階の真ん中の部屋には光が降ろせない・・・。そこで、3階の床をくり抜き、2階へ光を降ろす方法をご提案。3階の床をくり抜く場所は、個室ではその部屋が落ち着かないので、ホール空間となる様に設計。床は強化ガラスをはめ込み、光射す2階はキッチンをレイアウト。上下階の空間設計を考えた細くて長くても、どこの部屋も暗くない、良い家になりました。お施主様も喜んでくれました。ガルバリウムの外壁で、モダンな家になっています。この家は、営業・設計・コーディネート・現場監理/担当 林 タカヒロ(2級建築士・木造建築士・住宅ローンアドバイザー他)