バーベルはあるが、ベンチ台やラックなどはない。
ベンチプレスはこのやり方でやる。
まずはデットリフトでバーを持つ。

座って大腿部の上にバーを載せる。

ブリッジの反動でバーを上に突き上げる。


そしてベンチプレス。
終わるときは腹と大腿部の間に降ろして、腹筋を使い起き上がる。
高校生の頃までは、この方法でよくベンチプレスを行っていた。
父親から習った方法。
まだ器具が満足になかった時代、昔の人達はこのような方法でトレーニングしていたのだ。
もちろん高重量になつてくるとつらい。
バーベルスクワットも一度、挙上してから肩に担いで行っていた。
こちらはスクワット以前に一苦労だった。
そして、ダンベル。
重量を変える度に、レンチでプレートを付け替える。

これは、ベンチプレス台がないので、バーのプレート付け替えのときも言えるが。
今の時代は、ジムも増え、器具もマシンも充実し、狙ったトレーニング以外のところで無駄な力を使うことは少ない。
しかし、今になって思う。
この効率の悪さこそが、使える効率の良い身体を作り出していたのではないかと。
便利な器具は、確かに狙った筋肉を効果的に鍛える。
しかしそれ以外の筋肉はどうか?靭帯は?関節は?そしてトータル的な動作は?
今でいうインナーマッスルやコア的なものは、昔なら必要のなかったトレーニングでもある。
特定の筋肉を狙った筋肥大のためのトレーニング方法の進化こそが、身体の使い方を不自然にさせてしまった。
そしてそこを補うための新たなトレーニング方法が生まれた。
しかしそこを飛ばしてしまう者のなんと多いことか。
便利な現代。
練習環境だけに限らず日常生活でもそうである。
かたい水道の蛇口。
なかなか開かない開き戸やドア。
テレビのチャンネルを変えるのにわざわざ立ち上がって動く動作。
いろんな動きが、今は失われている。
そして、便利な器具のない時の工夫。
ある物で練習するということ。
今はジムがないとトレーニング出来ないという者も多い。
いかに頭を使い練習するか。
その創造力すら欠如してきている。
昔、プロレス学校で山本小鉄さんに言われれた言葉。
「プレートを変えるときも練習なんだ。指一本で持って、そういう時も体を鍛えるんだ。」
「筋トレのセット間の時も座るな、常に歩け、動け。」
今にして、こんな便利な世の中になって、その言葉の大切さがわかる。
プロレス道場ではそういうことを伝えたい。