これは、今年はじめに逝った従兄の残した手記である。
2011年1月15日
こんなことになるなら、習字をもっと続けて達筆な文字で残したかったなあ。
今、ICUに入り人工呼吸器をつけている。別の人工呼吸器を取りつけると意識が薄れるそうだから、今のうちに記しておきたい。
信長は「人生50年と言った。僕の人生も、もしかしたら50年かもしれない。
信長のように大きなことや歴史的なことは、もちろんできないけど、自分は教育や音楽の中で、何かしら残せるものはあったと思う。
すばらしい家族・親族・友人・仲間に恵まれ、少し短いけれど、すてきで満ち足りた人生を歩ませてもらったと思う。
残念悔しいのは、急性増悪という、急な悪化に負けてしまったこと。
楽しい人生なのに、最後の最後に運のないことだなあと、我ながら運の悪さにあきれてしまう。
でも、それも僕の人生の運命だと思って、すなおに受け入れたいと思う。
「神は乗り越えられる試練しか人に与えない。」という言葉がある。
父さんにとって、この苦しみを乗り越えて元気になることが、もちろんいちばんだいじなことだ。そのために「明るく前向きに」「生きる・元気になる」と強く念じて1日を過ごしている。
でも、もし父さん自信が乗り越えられないとしても、それはみんなにとって「乗り越えられる試練」にしてほしい。
とくに龍太と剛へ、他の人より父が早くいなくなることがあっても、それで自分を低く考えたり、投げやりになったりしないでほしい。
「自分の悲しみが多いほど、人の気持ちが分かる」というのはほんとうだ。
父さんもジジが、みんなより早く亡くなって悲しかったけど、逆にそれまで見えなかったことや感じなかったことが、たくさんわかるようになった。
だから、龍太にも剛にも、父さんが死んでも、それを乗り越えて(プラスに切りかえて)自分の人生を豊かにしてほしいと願っている。
それから、みんなには、もし万が一のことがあっても、だれも(自分を含めて)責めないでほしいし、うらまないでほしい。それぞれの病院でも担当医師を先頭によく治療して下さった。もし万が一のことがあっても、それが運命、天命であったということだ、だれのせいでもない。
続く