音楽をDVDで聴くDVDオーディオ(現在はブルーレイ・オーディオ)という音楽ソフトがあります。静止画像は画面に出ますが音楽を聴くためのソフトです。(ボーナス映像として、何曲か映像が入ってる場合もあります)⬇私がDVDオーディオで楽しみなのは、5、1(ファイブ・ポイント・ワン)チャンネルのサラウンドです。このミックスではセンター・スピーカーからボーカルだけ聞こえたり(ギター・ソロの時はリード・ギターだけ)レコード版の2チャンネル・ミックスでは埋もれていた音がハッキリ聞こえたり、あとお子様な私が大喜びの音が前後左右にパン(移動)したり、音がグルグル回るギミックもあります。

5、1チャンネルのミックスがイメージしやすいように、ジョン・レノン「イマジン アルティメィト・コレクション(スーパー・デラックス・エディション)」のブルーレイ・オーディオ・5、1サラウンド・マップの画像を貼ってみました。⬇ロック・バンドのレコーディングはチャンネル1(チャンネルではなく、トラックとも言う)に歌、チャンネル2にギター、チャンネル3にベース、、、という風に録音して行って(⬅もっと複雑な作業なのですが)各チャンネルの音のバランスを調整して、それを2チャンネルにミックスするわけです。でも、たくさんの音を2チャンネル(ステレオの左右スピーカー)に詰め込むと埋もれてしまう音がでてきます。

2001年にライノから発売された、ディープ・パープルの「マシン・ヘッド」DVDオーディオです。⬇20年くらい前にDVDオーディオは発売されるようになって当時、石丸電気にはカラー写真入りのカタログも置いてありました。国内プレスではなく、輸入盤に日本語解説をつける販売方法でした。値段は4500円くらいだったと思います。で、この「マシン・ヘッド」のDVDオーディオの5、1チャンネル・ミックスですが、特A級の神アイテムです。「ハイウェイ・スター」ではジョン・ロードの演奏のすべて(!)の音が後ろのスピーカーから聞こえます。LP版では埋もれてしまって聞こえなかったバッキング時のプレイのフレーズもすべて聞こえるのです。マルチのテープを手に入れた感じです。ジョン・ロードのソロの時のリッチー・ブラックモアのバックのギターリフも埋もれることなくザクザク感5割増しで完璧に聞くことができます。イアン・ギランのヴォーカルは他の楽器と分離してセンター・スピーカーからクリアに聞こえます。

ボーナス・トラックはシングルのB面の「ブラインド・マン」最後にこの渋い曲がたまらんのです。

ブックレットには「マシン・ヘッド」の録音時の珍しい写真がガンガン載っています。またサイモン・ロビンソンとロジャー・グローヴァーによる「マシン・ヘッド」の長い(日本盤の翻訳⬇で13ページ分)テキストが掲載されています。

2000年にライノから発売された、エマーソン、レイク&パーマーの「恐怖の頭脳改革」DVDオーディオ。⬇これは国内盤が発売されなかったので存在を知らなくて、後でプレミア価格(1万5000円くらい?)で買いました。このライノ版の「恐怖の頭脳改革」のDVDオーディオの5、1チャンネル・ミックスでレコードと特に違うなあと思う曲は「聖地エルサレム」です。レコード版では埋もれていたキーボードの「ドーン」って音が何回も入っていたり、ラストのグレッグ・レイクの歌のレコード版にはなかったパートが聞こえます。ボーナス・トラックは「ラッキー・マン」で爽やかに終わります。

「恐怖の頭脳改革 40周年記念デラックス・エディション」(輸入盤を買ったらスーパー・オーディオ・CDが入っていたので、DVDオーディオ入りの国内盤も買いました)のジャッコ・ジャクスジクによる5、1チャンネル・ミックスのDVDオーディオは、、、センター・スピーカーのグレッグ・レイクの歌が色々な処理をカットしていて、なんか下手に聴こえます。わざとレア素材で別ヴァージョンを作ったって感じで、、、ただ「悪の教典#9 第3印象」ではレコードでは埋もれていたグレッグ・レイクのベースがずっとブンブン唸っていてカッコいいです。最後の音がグルグル回るところはライノ版の方がいいです、、、現在、EL&Pの「悪の教典」の物語をベースにしたSF映画がアメリカで作られているのだとか。「アイ・アム・プログラム、、、アイ・アム・ユアセルフ」みたいのをやっちゃうの?

ザ・ドアーズ「ザ・シングルズ」⬇CD2枚とブルーレイ・オーディオ1枚の3枚セットです。CDはザ・ドアーズのシングル・レコードのA面、B面をリリース順に収録。自分はザ・ドアーズは後追いなのでアルバム単位で聴いてきましたが、シングル・レコードをイメージして1曲、1曲聴くと違った力強さが曲から感じられます。しかも音源は、当時のシングル・レコードの音源を使っていて、ファースト・アルバムからサード・アルバムの第1弾シングルまではモノラルで芯のある音です。(「ハートに火をつけて」と「ムーン・ライト・ドライブ」はギターソロ、キーボード・ソロがカットされているバージョン)1960年代のアメリカのティーンエイジャーがレコードで聴いていたのと同じ音だと思うとドキがむねむねします。

ブルーレイ・オーディオには1973年に発売された4チャンネル・レコード(クアドロフォニック・サウンド)「ザ・ベスト・オブ・ザ・ドアーズ」⬇が収録されています。DVDオーディオの最近作られた5、1チャンネル・ミックスはギミックなしのナチュラルなミックスも多いのですが、1970年代に発売された4チャンネル・レコードのミックスは(何枚かがDVDオーディオ化されてるので聴いたことがあります)4つのスピーカーを使いまくった立体効果ガンガンな異常なミックスなのです。で、このアルバムでは「ハロー・アイ・ラヴ・ユー」の4チャンネルの浮遊感・立体感の音がヤバすぎです。通常ステレオ版の「ハロー・アイ・ラヴ・ユー」の浮遊感の10倍くらい(⬅どんな計算だよ)の気持ちよさで、知覚の扉が開かれます。さらに「タッチ・ミー」ではあの「テテテテッ」ってリフが、超立体音響で前後から激しく体に突き刺さってきます。そして、このベスト・アルバム選曲がおかしすぎ。1曲目にアブソルートリー・ライヴの「フー・ドゥ・ユー・ラブ」を選ぶ?でも、コンサート会場の空間の音を再現した広がりのある音が素晴らしいです。2曲目の「ソウル・キッチン」はスタジオ録音版ですが、アブソルートリー・ライヴのアンコール曲だったから選ばれたんだと思います。

ピンク・フロイドのボックス「アーリー・イヤーズ1965~1972」の「1970 逸脱、偏向」⬇には1973年にリリースされた「原子心母」の4チャンネル盤が収録されています。最近、リミックスされたものではなく1973年に4チャンネルのレコード用にリミックスされたところに意味があるわけですが、、、。

とにかく音の立体感が凄すぎ!!⬇前から後ろから色々な音が飛び出してきます。効果音だけでなく、ギターソロが後ろから聴こえたと思っていると、さらに後ろでも左右に動いたり前に移動したり、その他の楽器のセパレート感も凄いんです。もう(⬅牛だけに)4つのスピーカーからあらゆる音が出てきてグルグル回って、、、最高です。
