2020年の中国ドラマ「成化十四年〜都に咲く秘密〜」全48話って、日本語タイトルがヘンテコリンなことは置いといてもハンパなく長いですよね。

 

しかし、へちまはかつてこのドラマを完走しているのです。

その心は・・

 

 

まぁ、いろいろあるんですが、わたしにとって「成化」といえば

 

「大明成化年製」

 

明代の成化帝の時代(1465-87年)に景徳鎮で作られた官窯(政府が管轄する窯でそこで焼かれた器は民間に流通することはほぼない)のことで、繊細な紋様、透き通るような釉薬、そして紙のような胎土とたまらん器なんです。

 

成化帝、ドラマでは深窓のボンクラ皇帝感満載でしたが、期せずして美術史に名を残すことになった皇帝です。

 

へちまが偏愛する瓜文椀(東洋陶磁美術館蔵)もまさに「成化」であります。

パレス・ボウルという美しい名でも呼ばれてるんだよ。

 

 

で、ドラマ「成化十四年」にも突出した「成化」が出てくるんですよ〜!

しかもかなりの重要人物(重要椀)として。

 

主人公のひとり汪植がチビちゃん時代に万貴妃から賜った器がそれです。

 

 

万貴妃も汪植も実在の人物で、波乱万丈の人生を送った成化帝とともに記憶されています。

特に万貴妃は、皇帝のもと乳母で19歳も年上とはなかなかですよね。

 

で、話を戻してドラマのなかで汪植は火急の資金が必要になってこの器を質入れしてしまうのです。

汪植はもちろんすぐに買い戻すつもりだったのですが、質流れしてしまって大事件に発展します。

 

コッコの絵が描かれたおこちゃま茶碗がなぜにこんなにえらいことに?って感じですが、これは国宝級のお茶碗。

 

 

 

こちらがその「闘彩鶏缸杯」です。

2014年にサザビーズのオークションで38億円で中国人実業家に落札されたことでも有名です。

 

 

「闘彩鶏缸杯」は、19点現存しているとされています。画像は故宮博物院のものからお借りしました。

 

 

 

子供の手にもすっぽり収まる小さな器ですが、白は抜けるように白く絵付けは愛らしく、しかも気品に溢れています。

まさに一国を傾ける価値のある逸品と言えるでしょう。

 

こんなふうに美術品が大切に扱われているドラマなので、へちまが好きになることは当たり前なのです。
しかしそれを抜きにしても48話完走できる出来栄えだったと思います。
 
興味深い地方の特色が豊かに描かれており、目をむくような発明があり、涙なくしては見れない素晴らしい夫婦愛があり、美しい馬がいっぱい広い草原で駆け抜け、建築物も丁寧に作られており、あ、アクションもあったけ、とにかく素晴らしいドラマでしたが、そんなことはすでに先輩諸氏が書いているので、へちま的萌えポイントをちょっとだけ書かせてね。
 
 
●宦官の汪植のすこしふくよかな感じが良かった

胸の丸みが古装映えして、明代にはひょっとしてこんなに美麗な若き宦官がいたのかも?って妄想だけでも楽しかった。

綺麗な若い宦官が3人とお年寄りで困ったさんのお爺さんの宦官が多数。

いずれも良かったです!

 

 

●汪植の部下の宦官がいけてた!

裏切りにより罰せられるのですが、汪植は彼を殺さなくて囲っちゃう(偏見)んです。

なんかすごい・・萌えた。

 

 

●主人公、唐泛と随州のプラトニック度合いが良かった

原作はバリBLらしいですが、ドラマでは皇太后の甥という高貴な身分でありながら、唐泛に心の全てを明け渡している随州のプラトニックな愛が堪らんかったです。

これぞ乙女の純愛!

 

 

 

●家が良かった

いろんな家が登場して間取りマニアのへちまを歓喜させたのですが、家的主役はやはりここ。

ふたりの愛の巣(?)である随州の家は良かったなぁ。

いろんな物語が繰り広げられたこの前庭。

ラストここで随州が唐泛にそっとマントをかけるシーンは萌えずいられるものかラブ

 

 

何回でも見返してしまうドラマのひとつです。

長すぎますが、機会があればぜひご覧あれ。