こんにちは

へちまです

突然ですが

みなさん「清明上河図密碼」

ってドラマをチェックされています?

 

 

 

1月末にクランクアップしたそうなんですが

 

ビジュアルはこんな感じ↓

カメラアングルは独特の絵画感がありますよね

アンダーに抑えた色味や光の扱いも丁寧です

左端のお菓子が並んでるあたりもよく作り込まれてて、街の情景への愛が感じられます

 

    

こういう構図ダウンかな?

モーリス・ユトリロ

「モンマルトルの小径」1950年

 

 

でもおっちゃんやしー

きらきら乙女のトキメキイケメン見当たらない

へちまの心の琴線に触れるはずもないタイプのドラマなんです

 

しかしこれがちょっと(かなり)気になってるんです

 

とりあえず、タイトルから見ていきましょう

「清明上河図密碼」

 

 

ここでまず気になるのが「清明上河図」とはなんじゃい?

ってことですよね

よくぞ、へちまに聞いてくれました!

実はこれ、世界でもっとも美しい絵画のひとつと言われている絵巻なんですよ

 

描かれたのは北宋時代、かの有名な徽宗皇帝の時代です

画家の名は張擇端

 

 

    

こんなふうに町の情景が

田舎から都市へと描かれています

 

「清明上河図」部分 張擇端

12世紀 26×525cm

紫禁城 故宮博物院蔵

 
 

描かれているのは、北宋の都、汴京(べんけい、現在の開封市)という場所です

    

このあたり↓

 

 

 

張擇瑞はこの街を微に入り細に入り生き生きと描いています

 

約800名の人物、100頭近い家畜、家屋・楼閣・大小の船・・・

田園から都市へと風景はまるで映像を見るように流れていきます

 

 

富める者、貧しき者、高貴な者、病める者、

さらには馬や牛、駱駝、家々、河川・・

それらに等しく注がれた画家のまなざしは一千年の時を越えて私たちを虜にします

 

またきわめて映像的な画風からは音までも拾うことができます

 

「絵のなかに入りたい」

絵画鑑賞者の永遠の夢を瞬時に叶えてくれる名作です

 

うん、これをドラマにしたくなるのわかります!

 

しかし現実には、この時、繁栄の極みを見せていた都市は、その最期のきらめきを放っていたのです

 

事実上、北宋最後の皇帝である徽宗のものとで

都市は熟れた果実のように香りたち

同時にその生涯を閉じようともしていたのです

 

 

徽宗皇帝ってどんな人だったんでしょう?

 

では徽宗皇帝ってどんな方だったのでしょうか?

ドラマ歴浅しのへちまにはよくわかりませんが、ドラマ出演歴はどんなもん?

「水滸伝」あたりでちょろっと出てくるみたいな?

 

主人公になってたりしたら、ぜひぜひ見たいです!

 

ひとことで彼を表現するなら徽宗はあまりにも芸術家でした

宦官を重用するにもセンス第一だったようです

それゆえ政治的には手腕が疑われることも多々あったようですが

独自のビジョンを持っていたというのも事実だったと思います

 

彼は卓越した審美眼を持ち、また自ら筆を執れば触れるものすべてが「黄金になる」的な男でした

 

もちろん絵画もなんですが、字がまたねぇまじかるクラウン

 

痩金体と呼ばれる独自フォントを生み出し

その作品群は真贋相まみれるとはいえ現代でも「別格」と評されています

 

 

徽宗筆「芙蓉錦鶏図」
紫禁城 
故宮博物院蔵 12世紀

 

そして何より徽宗を歴代皇帝のなかで突出した存在にしているのは、芸術と政治を融合させようとしたこではないでしょうか?

 

美をもって世界を制すって、もうすごい壮大なビジョンではありませんか(成功しそうにはない)

 

そんな徽宗のもとで北宋は終焉の輝きを見せ、われらの「清明上河図」は成立します


 

 (下)へつづく