こんにちは
へちまです
蘭珏がときどき色っぽくつぶやく
「じゅんねんまえ」が
気になって仕方ありません
このドラマには十年前と二十年前と三十年前と
現在しかありません。
蘭珏の健忘症のせいでしょうか?
それともこの世界では重大な出来事には
decade制約があるのでしょうか?
というとてつもなくでっかい謎を抱えたまま、どうしても明らかにしておきたいdecadeがあるので、ここで触れておきます。
十年前の冬、蘭珏が出会ったふたりの男、疏臨と王硯
蘭珏はこのふたりのうちどちらに先に出会っていたのか?
どうでもいーやん、と一蹴されそうなことにこだわるのはおたくの持病です。
ドラマでは語られることのなかったこの時系列をへちまはどうしても知りたいのです。
王硯との出会いはEP5で、疏臨とはEP22で語られますが、どちらもざっくり「十年前」でくくられています。
その場面では蘭珏は科挙のために生活費を稼いでいるのでしょうか、路傍で書を売っています。
張屏が麺を売っていたのと重なりますが、蘭珏は高尚な書を売っていたので君子的観点からはセーフなのかな?
季節はどちらも冬ですね。
疏臨の時は吹雪いていて、王硯の時は雪がうっすら程度に積もっています。
疏臨の時は白い服、王硯の時は青い服です。
屋台テントの品揃えを見てみましょう。
同じです。売れ行きが心配になりますが、蘭珏がふたりの男に出会ったのはほぼ同時期であることが推測されます。
つまりどちらもざっくり十年前と語られていますが、たぶん1ヶ月から長くても2ヶ月くらいの間に起こったことではないでしょうか?
お隣でパンケーキのようなものを売っているおっちゃんも品揃えは同じで、あまり参考にはなりません。こちらは商品が回転しているものと思いたいです。
疏臨との出会いのエピソード
王硯との出会いのエピソード
年の瀬、疏臨との出会い
吹雪のストリートで蘭珏は疏臨と出会う。
お客さんとのやりとりで新年用の書画はないと蘭珏が言っていることから、これは年の瀬だと類推されます。
蘭珏はいちころで疏臨に魅せられる。
疏臨は来秋の科挙の試験でまた会おうと言い、蘭珏の心に灯がともる。
王硯との出会い
しかし書の売れ行きは思わしくなく、時々龚尚書の声がかりの人が買ってくれる程度。
なんとか生活はできるものの科挙の受験に必要な書物の購入などには手元不如意な状況。
そんな時、王硯が蘭珏のテント屋台に激突するという事件がおこる。
時期は雪の状況から冬の終わりごろ?
蘭珏は京でも何かと有名な名門の御曹司のことをもちろん知っていました。
京に出て、路上で過ごす時間が増すにつけ、自分の美貌に気づきはじめていた蘭珏はこのまたとない好機に賭けることにしました。
王硯のセクシャリティ
京でも皇室に次ぐ名門王氏の御曹司、彼はいつも街の人たちの華やかな噂の中心人物でした。
特定の女性と付き合わず、いつも複数の取り巻きの男性と街を闊歩している。
街の人たちは、同じ年代の皇帝と彼を比べ、あまりにも全てを持ったこの男のお眼鏡にかなう女性などいないのではないかと囁きあっていました。
王硯自身も「私にふさわしい女性はどこにいるのだろう」と自問していました。
そしてあの日、王硯は蘭珏に出会います。
王硯は自分のセクシャリティを自認し、蘭珏のためなら命も惜しく無いとまで考えるようになるのです。
ドラマのなかで本当に控えめとはいえ、セクシャリティの暗示があるのは王硯ただ一人です。
援助
王硯が蘭珏に援助を申し出ます。
もちろんあからさまな援助ではなく、のちに蘭珏が張屏に持ちかけるように「住み込みで我が家の仕事(会計などのホワイトカラー的業務)を手伝って欲しい」といった相手の自尊心を尊重した誘いです。
王硯は誘惑や危険の伴う路上での生活を打ち切って欲しかったのに違いありません。
蘭珏は申し出を受け、書生たちが集う思賢書院などの場所に出入りできるほどの経済的余裕を手に入れます。
王硯の父親、王勤はこのことを知っていたのでしょうか?
もちろん知っていたでしょう。
のちに同僚として蘭珏と皇室勤務にあたる中で王勤は蘭珏に声をかけることはありませんでした。他のおじさんたちが何かと蘭珏に声をかけてくるのと対照的です。
疏臨と再会・同棲
しかし蘭珏は疏臨と再会します。
あまりにも瞬く間の出来事でした。
出会ったその日に蘭珏は疏臨と暮らし始めます。
そして蘭珏は勉強もせずに遊び回っています。
王硯は唖然としたでしょうが、引き止めることは出来ませんでした。
人をやったり、変装したりして疏臨の周りを探りますが、人となりはおろか氏素性も掴めません。
どういうわけか疏臨は科挙試験を受験しませんでした。ですから王硯と疏臨には直接の面識はなかったと思われます。しかし彼らは当然お互いのことを認識していたはずです。
心の中でお互いを「ク○野郎」とか「筋肉バ○」とか呼び合っていたことは確かです。
疏臨と破綻
蘭珏と疏臨との関係は始まった時同様、突然の終わりを迎えます。
蘭珏の生活は乱れますが、諦めていた科挙に三位(実は主席だったがその美貌を愛でた皇帝によって三位の者が担当する探花郎に任じられたという説あり)合格を果たします。
王硯に告白
同じく科挙を受験していた王硯と蘭珏が再会します。
科挙合格者が皇城に集められる際などは、探花郎としてその美貌を皆に愛でられる蘭珏の姿は王硯には眩しくも苦しいものだったでしょう。
蘭珏はここにきてようやく自分の悲願である「父の冤罪をはらす」という目的に向かって動き出します。
刑職に就く王硯に利用価値を見出し、再び接近します。
そして「今まで誰にも打ち明けていなかった」自分の秘密を王硯に打ち明け協力を要請します。
王硯は蘭珏が秘密を打ち明けてくれたことに感激したでしょう。
そして心から蘭珏を助けることを約束します。
「君は私に礼を言う必要はない」
王硯はたびたび蘭珏にそう言いますが、それは本心に違いありません。
この時から十年(正確には九年だと言いたいが、九年という単位は君子盟世界にはない)、王硯にとって蘭珏は彼の命そのものとなります。
蘭珏の変化
一方、蘭珏にも変化がありました。
王硯との関係に蘭珏は安らぎを見出しています。
おでかけ好きな蘭珏ですが、王勤への気兼ねもあり王府を訪ねることはしませんでした。かわりに蘭府には自由に出入りしてもらい自慢のお茶をご馳走したり、また伴月亭のVip Room 牡丹の間で騒いでみたりと生活を楽しんでいました。
そして十年(正確には九年)たち
蘭珏が張屏に出会うところからこの物語は始まります。
いかがでしかた?
とっても長くなってしまいましたが、書いてみて改めて感じたことはやっぱ自分は蘭珏というキャラクターがとてつもなく好きだということです。
老いた狐のような狡猾さを持ち、それでもままならない人生に翻弄される男。
蘭珏はドラマの中で多くの人を惹きつけますが、それはその美貌のためだけでなく、不安定な生き様のなかでもがく人間臭いアンバランスがえもいわれぬ魅力となっているからではないでしょうか。
井柏然は、危うさに満ちた美少年時代から妖艶なまでに美しい現在までを見事に演じわけています。
彼が生命を吹き込んだ蘭珏というキャラクターの完成度の高さにただただ脱帽します。
衛星劇場でいよいよ8月28日からオンエア開始です。
こちらに特設サイトが出来ております。めでたい!