第9章 心残り
時の経つのは早いもので、明 日10月1日から4日間教習 指導員試験が始まる。 1日目は学科試験全6科目、 2日目は運転技能試験所内、 3日目は運転技能試験路上、 4日目は面接試験といったス ケジュールで有る。 試験前日、達也はやるべき事 は全てやったと思い、自宅で 試験に備えてゆっくり静養す る事にした。 当日、達也は朝4時半に起き た。試験会場は、東京都の府 中運転免許試験場で行われる 。 達也は、5時10分の始発の 電車に乗り試験会場へ向かっ た。 試験会場へ向かう途中、達也 は、今迄勉強してきた事を一 つ一つ噛み締め復習していた 。「一発で合格したい!」達 也は思っていた。 達也のまいた種は、しっかり とした根を張り、芽が出て花 開こうとしていた。 試験会場に着いた達也は、教 室に入り緊張しながらも冷静 な気持ちで試験が始まるのを 待っていた。 試験開始時間になり、1科目 目、道路交通法の試験が始ま った。 達也は、問題と解答用紙を受 け取り試験に挑んだ。 しかし達也は、1問目の問題 の解答がなかなか頭から出て 来なかった。周りでは、カシ ャカシャと言う音を立てなが ら解答を書いている音が聞こ え、達也はかなり焦っていた 。 「お願いだから思い出してく れ!」と願いながら達也は目 を閉じて必死で考えた。 10分程経った頃、達也はよ うやく回答を思いつき、書き 始めた。1科目目の試験時間 は60分。達也は必死で書き 続け何とか全問回答する事が 出来たが、見直している余裕 は無く試験は終わってしまっ た。悔しい気持ちでいっぱい だったが、10分後に、2科 目目の試験が始まるので、直 ぐ頭を切り替えた。 2科目安全運転の知識、3科 目教育知識と順調に回答する 事出来た達也は、リラックス して試験に挑む事が出来た。 4科目構造、5科目教則の試 験も順調に試験は進んで行っ た。 最後の6科目の関係法令試験 は、達也が一番苦手としてい る試験で有る。 10分の休憩が終わり最後の 試験が始まった。 達也は、問題に目を通した。 問題を見て達也は、呆然とな った。 試験の問題数が異常に多く、 今の達也の能力では試験時間 30分で全部の回答を書ける 問題では無かった。 殆ど丸暗記状態の達也は、要 点だけを簡潔にまとめる事は 難しく、必死に回答を書いて いく達也で有ったが、時間は 刻々と過ぎて行った。 試験管から「あと10分です 」と言われた瞬間、達也は頭 が真っ白になってしまった。 まだ4割しか書けていない状 態である。 達也は無我夢中で書き続けた 。残り10分何を書いたのか 分からない状態で試験は終了 してしまった。 達也は、悔しさと至らなさに 落ち込んでいた。 学科試験は、悔いが残る試験 となり一発合格を目指してい た達也は、心の迷いを消しさ る事が出来ず、一日目の試験 が終了してしまった。
第9章 完
第10章へ つづく