第10章 再出発

 

人生で経験して来た今迄の出来事 が達也の脳裏を駆け巡っていたが 、電車がホームに着くとふと我に 返り電車に乗り込んだ。 席に座った達也は、自分の至らな さと情けない気持ちで、半ベソ状 態で有った。 「あれだけ頑張って勉強して来た のに」「まだまだ勉強が足りなか ったのか?」と思い浮かべていた 今日は教習指導員試験2日目、運 転技能所内試験の日である。 達也は元妻の言葉を思い出した。 昨日達也は、元妻に電話して愚痴 をこぼしていた。 達也は、元妻に「俺には無理かも しれない」と言った。 元妻の反応は意外と冷静で有った 元妻は達也に「達也は今、何をや りたいの?」「何を目標として勉 強して来たの?」と問いかけられ た。 その時達也は、当り前の様に「教 習指導員になる為だよ」と答えて いたが、何故今更そんな質問をす るのかが分からなかった。 元妻は「自分で良く考えた方が良 いわよ」と言い残し、達也の愚痴 には付き合わず早々に電話を切っ た。 達也は、その事を車内で考えてい ると、元妻が言わんとしている事 がようやく分かった。 「そうか!試験はまだ始まったば かりじゃないか!」「俺は、教習 指導員になりたくて、この会社に 入社したんだ!」「一度や二度の 失敗で落ち込んでいる場合じゃな い、最後までやり遂げよう!」と 思い、少しずつ冷静な気持ちを取 り戻す事が出来た。 元妻は、達也に対して「自分の目 標を自覚し、諦めない気持ち」を 持ってもらいたかったのである。 達也は、元妻の気持がようやく分 かり感謝した。 試験会場に着く頃には、達也の気 持は180度変わっていた。 元妻のお陰で気分を一新できた達 也は、運転技能所内試験、元タク シードライバーで複数のお客様を 乗せてた経験が有ったので、試験 官が同乗していても特に緊張もせ ず、リラックスして試験に挑む事 が出来、試験は順調に進み、2日 目の試験も無事終了した「よし! 上手くいった!」と確信した達也 は、いつしか自分に自信が持てる ようになっていた。 憂鬱な気分から立ち直った達也は 、3日目の運転技能路上試験も無 事クリヤーした。 「あと1日」達也は帰りの電車の 中で呟いた。 明日の試験が終われば、教習指導 員試験の全ての科目が終了する。 最終日の試験は、試験官との面接 試験で有る。 4日目、少し早く目が覚めた達也 は、いつもよりゆっくり駅へ向か った。 その間色々な事を思い出していた 。今迄の生活、必死に勉強した事 、勇気をくれた元妻の言葉。 達也は「大丈夫、絶対に合格する !」と自分に言い聞かせたと同時 に「今日の試験は、今迄精一杯や って来た事を全て出しきろう!」 と決意した。 完全に立ち直った今の達也には、 もう何の迷いも無かった。 試験会場に着き、面接試験が始ま る時刻になった。 一人、また一人と教室に入って行 き、いよいよ達也の順番が来た。 達也は、受験番号、教習所名、名 前を言い着席した。 面接試験の内容は、幸運にも全て 達也の得意とする分野で、すらす らと答える事が出来、試験は無事 終了した。 「面接試験も上手くいった!」達 也は確信した。 全ての試験が終わった事を会社に 連絡し、自宅に帰宅した達也は、 今迄の疲れがどっと出て、夜の9 時にはもう寝てしまった。 「これで全ての試験が終わった!

 

第10章

 

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