最近の結婚式は「和婚」と言われる、いわゆる「神前式」が復活傾向にあるため、披露宴の料理も、「和食」が復活してきています。

 

今回は、その「和食」のマナーに関して。

 

さきほど、聞いていたNHKラジオの「山田邦子の日曜バラエティー」という番組、なぞかけの「ねずっち」さんが「和食で出てくる、お椀の蓋は、食べ終わったあと、どうするのがマナーとして正しいのか?」という問題を出していました。

 

この正解は、「蓋は元通りに戻す」、ということなんですが。

 

この問題、クイズ番組なんかでもよく出題される「定番」のものですが、私は個人的には、この正解が正しいとは思えないのです。

 

まあ、たしかに、「食べ終わったことがわかるように、蓋を裏返してお椀の上に乗せることは、塗りを痛めるのでよくない」という理由はわかるのですが、今までたくさんの「和食の披露宴」を見てきたものとしては、定番の正解は、本当に正しいのか疑問なのです。

 

ポイントは「配ぜん人の立場になって考える」ということで。

 

「配膳してきたときと同じように、お椀に蓋をしておく」というのは、「食べ終わったのか? まだ手をつけていないのかわからない」っていう大きな欠点があります。

 

また、配ぜん人さんが、お椀を下げる時は、お椀の下の部分だけ、何枚か集めて重ね。蓋も何枚か集めて重ねます。ですから、蓋をしてあるお椀は、配ぜん人さんが蓋を外さないといけません。

 

この「蓋を外す」という作業は、皆さん、ご経験があると思いますが、時々、「椀の中の空気が冷めることによって、圧力が下がり、蓋が外せなくなる」ということがよくあります。

これって、お椀の周囲を強くつかんで、ちょっと変形させることによって容易に外せるのですが、片手しか使えない配膳人さんにとっては難行です。

 

マナーのことを除外して、配膳人さんの立場だけで考えると、蓋は蓋だけ別に外して置いてくれるほうが、片付ける際に楽なようです。

 

「蓋をそのまま戻す」も、先ほどいったように片付けにくいし、お客さんの立場からも、まだ手をつけてないのに、片付けられそうになる欠点があります

「蓋を裏返して、お椀の上に置く」も、塗りを痛める可能性があるし、裏返した蓋をはずのが大変で、配ぜん人が困ります。

 

マナーとは異なりますが、お椀の横に蓋を置くのが、本当は一番いいのではないでしょうか?

 

あくまでも、私見です。