京都・山科の教科書倉庫がアートギャラリーに。「余白 -YOHAKU-」2026年9月開館 | TABI LABO

 

京都・山科にある教科書倉庫が、アートギャラリー「余白 -YOHAKU-」として生まれ変わるという。これは、単に倉庫の空きスペースを有効利用するという話ではなく、教育図書を扱う事業者が抱える「繁忙期と閑散期」という構造的な課題に対する、面白い発想だと思う。

 

教育図書の流通には、新年度を前にした時期に注文や納品が集中する一方、それ以外の時期には倉庫や人員に余裕が生まれるという特徴がある。年間を通して一定の仕事量がある一般的な物流とは違い、この「波」をどう活用するかは、教育図書を扱う業者にとって大きなテーマである。

だからこそ、閑散期を単なる「空き時間」と考えず、「余白」と捉える考え方には可能性がある。倉庫という場所も、単に本を保管するための空間ではない。そこには本や教育、文化に関わる企業だからこそ持っている、独自の空間や人材、ノウハウがある。それを文化や芸術と結びつければ、新しい価値を生み出せる。

 

さらに考えれば、同じように繁忙期と閑散期を持つ企業は少なくない。出版社、書店、印刷会社、物流会社、イベント会社など、それぞれが持つ「余白」を持ち寄れば、単独ではできなかった企画も可能になるだろう。

 

人口減少や市場縮小によって、これまでと同じ仕事だけでは事業を維持することが難しくなっている。だからこそ、自社の「余っているもの」を欠点ではなく資産として捉え直すことが重要だ。「余白」をどう使うか――そこに、これからの企業間コラボレーションのヒントがあるように思う。