燃料高騰・ドライバー不足…小売り・メーカー、物流効率化へ業界横断で知恵絞る|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

 

物流業界に限らず、これからの日本社会を象徴するキーワードが「協業」なのだということだ。人口減少による人手不足、ドライバー不足、コスト上昇といった構造的な課題を前にして、もはや一社だけで最適な物流網を維持することは難しくなっている。実際、食品や飲料メーカーをはじめ、競合関係にある企業同士ですら共同輸送や物流網の共有を進める動きが広がっている。これは単なるコスト削減策ではなく、物流そのものを持続可能にするための生存戦略と言えるだろう。

 

従来の日本企業は、自前主義や囲い込みを強みとしてきた。しかし市場が拡大し続けた時代と違い、人口減社会では限られた需要を奪い合うだけでは共倒れになりかねない。むしろ「競争する部分」と「協力する部分」を切り分け、最大公約数を見つけながら全体最適を目指す発想が求められている。物流はまさにその象徴だ。

 

さらに言えば、失敗のリスクも昔とは比較にならないほど大きい。設備投資や人材確保に巨額の費用がかかる中、一社単独で挑戦することは大きな賭けになっている。そのため企業同士が知恵や資源を持ち寄り、リスクを分散する方向へ進むのは極めて自然な流れだろう。今後は物流だけでなく、製造、販売、さらにはデジタル分野でも同様の協業が増えていくはずだ。

 

「ひとりでは何もできない」という現実を悲観的に捉える必要はない。むしろ人口減社会における新しい成長モデルとして、企業同士が垣根を越えて連携する時代が始まったと見るべきだ。これから生き残るのは、自社だけの利益に固執する企業ではなく、より大きなマーケット全体を見据えながら共創できる企業なのだと思う。