神戸製鋼所。
先日の日経新聞で、
神戸製鉄所を閉めるとありました。
海外生産にシフトっていうのもあるけど、
財務状態を見てみると、
別の理由がまた一つわかりました。

http://www.kobelco.co.jp/ir/library/fncl_results/2012/__icsFiles/afieldfile/2013/04/26/0426_kessan.pdf

単位:百万円
          前期 当期
売上高      1,864,691 1,685,529
売上原価     1,635,862 1,510,511
売上総利益      228,828 175,017
販管費          168,273 163,782
営業利益      60,555 11,234
営業外収益      40,010 31,752
営業外費用      66,785 61,133
経常利益又は経常損失(△)33,780   △18,146
特別利益合計       - 1,922
特別損失合計       6,022 9,007
法人税等合計      28,042 △2,050
当期純損失(△)  △14,248 △26,976



<損益計算書=PL>
売上は1兆8600億円から1兆6800億円へ、
約10%減収。
売上原価の構造は不明ですが8%弱しか減っていないので
粗利益の額・粗利率ともに悪化です。
定性情報を見ると、
銅・アルミの在庫評価損を計上しているようです。

粗利益が減少しているにも関わらず、
販売費及び一般管理費が殆ど変化していないため、
営業利益は80%以上の減益となりました。

当期は営業利益110億円に対して、
支払利息は約2倍の200億円。
口述しますが、有利子負債が膨らんでいます。
その他営業外損益合わせると
当期は180億円の経常損失となりました。

投資有価証券の評価損と減損損失合計で90億円の
特別損失が計上され、当期は269億円の最終赤字となり、
2期連続で赤字となりました。
各種段階利益(粗利益・営業利益・経常利益・当期純利益など
各種の利益概念のこと)率は全て悪化しています。
非経常的な在庫・有価証券・固定資産の評価損失があるとはいえ
固定費を粗利でカバーできていないと見え、
経常的に損失体質になっていると見えます。

セグメント別に見ると、
主力事業である鉄鋼事業が当期502億円、前期147億円赤字と苦しい。
円高と中国メーカーの価格競争が主因と見られます。
自動車向け鉄鋼の復調と円安に期待を持っていますが、
翌期の予測売上1兆7900億円(6%増収)、
最終利益350億円(600億円の損益改善)、は若干楽観的かと。

当期の黒字事業は、機械事業120億、建機68億、神鋼環境39億、アルミ・銅39億、の黒字。
機械事業はひきつづき好調との見込み。

売上の約45%を占める鉄鋼事業の立て直しがキモとなる。
建機事業と合わせて、中国市場の復調がキーか。


<貸借対照表=BS>
短期借入金1700億円増、社債償還など増減加味して
有利子負債は前期比1524億円増加しています。

引き続き、利息負担が大きいとの見込み。
流動比率は100%をかろうじてうわまわる状態、
教科書通りの説明をすると、
棚卸資産を現金化するか借り換えしないと資金に余裕はない状態に見えます。

売上減少に関わらず売上債権は増加、
回収がやや悪化しているようにみえますが、
今期は期末が休日であり、
その影響があるためだと推測できます。
期末が休日だと入金も支払も翌期首にずれるため、
売掛債権や支払債務が大きくなることがあります。


<キャッシュフロー計算書=CF>
固定資産投資が前期830億、当期1090億円、有価証券は当期145億円取得。
業績は悪化しているが、減損や評価損、減価償却など資金流出を伴わないものもあり、
営業活動から資金流出とはなっていない。
手許資金が増加しているが、資金調達及び為替換算によるもの。
なお、配当はストップ中、今期もおそらく0円となると推測されます。


<まとめ>
主力の鉄鋼事業が相当に厳しい様子。
生産体制の集約と海外での生産体制を構築が
急務の課題と考えているのでしょう。
日本国内の鉄鋼需要(主に自動車)の復調、
中国市場の復調、
中国メーカー等との価格競争からの脱却、
これら次第では国内P社などのように、
よりドラスティックな動きを
強いられる可能性が高いと見えます。


曰はく、
「数字は過去の、一定のルールにより出された表面にすぎない。
未来、環境、感情を見よ。」
まだまだ拙いながらも、
全人類の相対的ポジションとしては
会計についての経験が多く、
「従事時間1万時間を超えればプロフェッショナル」
という誰かの単純な論理から言えば
一応プロと呼べるのであろう。

結局自分の強みは会計、この分野である。

財務分析の目的。
過去の経営成績、
会計年度ごとの財務状態をもとに、
企業の収益性、
経営の効率性、
企業の安全性、
を読み取り、
将来の経営活動に役立てる、もしくは
活動成果を予測する。

財務分析結果は分析結果の使用者と使用目的、分析タイミング、
によって変化する。

ここでは利害関係ゼロ、主観を極力排除して
企業を見ていけたらと思います。


初回は、
日本の自動車業界、いや経済界の中で
トップクラスの優良企業である
トヨタ自動車を分析。

詳細の数字等は決算要旨を参照。
http://www.toyota.co.jp/jpn/investors/financial_results/2013/year_end/yousi.pdf

単位百万円
   前期 当期
売上高合計     18,583,653 22,064,192
売上原価     15,795,918 18,010,569
売上総利益     2,787,735 4,053,623
販売費及び一般管理費 1,839,462 2,102,309
営業利益     355,627  1,320,888
その他合計     77,246  82,761
税金等調整前当期純利益 432,873  1,403,649
法人税等     262,272  551,686
当期純利益    283,559     962,163

トヨタは米国式での損益計算書なので
ケイツネ(=経常利益)がありません。
米国では営業利益より下は
non-operating income/loss(営業外損益),
discontinued operation loss(売却・撤退事業による損失),
extraordinary loss(非経常的事態による損失),
が入り、その後に当期純利益がきます。

<損益計算書>
額でみると、
売上は22兆640億円と、
日本の国家予算の約4%という状況です。
営業利益は1兆3200億円、前期比3.7倍。

率でみると、
増収率(当期利益÷前期売上で算出)18.7%。
営業利益率(営業利益÷売上高で算出)は6%。
会計方針、会計基準の差はありますが、
営業利益率は日産・ホンダを上回っています(両社ともに5%台)。

→増収増益(売上高増・利益増)。
主要三社のうち最も売上高が大きく、利益率も高いという
理想的な状態。

セグメント別業績を見てみると、
日本・北米・欧州・アジア・その他地域のうち
日本の売上が7900億円、利益率は7%前半。
トヨタ発表の市場占有率(軽自動車除く)は
48.4%にのぼります。

売上6兆円台の北米は、競合2社よりも
利益率が1%~2%低い状態となっています。

次アジアの売上が4兆円台に。利益率は9%となっています。
競合2社はアジアの売上が1兆円台、利益率7%台なので、
新興国の需要をとらえ、かつ
利益もとれている状況が見て取れます。
逆に欧州は売上約2兆円、利益率1%前半と苦戦。
→日本を屋台骨に、アジアでの業績も伸長。
北米の利益率の相対的低さが課題。
欧州の経済復調までの売上高・利益率に注視。

3期連続で金融事業による営業利益2000億円を確保。
→好調・不調問わずリースやローンによる収益構造を確立している。

<貸借対照表及びキャッシュフロー計算書>
有価証券のうち7000億円ほど国債購入。
有利子負債(銀行借り入れ等、利子が発生するもの)が
それ以上に伸びていることを考えると、
増産等へのバッファとしての手許資金を、
換金性の高い資産で運用しているものか。
→資金調達と流動性の高い運用形態から、安全性を確保している。

固定資産純増が1兆円、当期減価償却費は1兆1000億円。
設備投資の大きさを反映しているとともに、
今後も減価償却による自己金融効果による
プラスのキャッシュフロー効果が期待できる。
→将来への投資及び今後の資金流入期待が読み取れる。
※自己金融効果…減価償却費による経費増による法人税減少が
資金流出が減らす、つまり資金流入を生むことと同じ効果があること。

<その他>
翌期見込み23兆5000億円のベースとなる為替は
1ドル90円、1ユーロ120円と保守的と言われている。
為替の影響が上振れすると、さらなる増収増益期待も大きい。

<まとめ>
本業及び本業以外の事業での利益確保体制、
日本及びアジアでの好業績、
今後に向けた投資活動の大きさ、
手許流動性確保及び資金流入期待の確保、
と盤石に見える。
保守的な見積もりと見える26年3月期見込みも
期待できる。
強いて言うなら北米・欧州市場への対応に余地あり、と見る。


曰はく、
「数字は過去の、一定のルールにより出された表面にすぎない。
未来、環境、感情を見よ。」

美術館に行った。
絵を見ながら、芸術家について考えた。
芸術家って何を考えて制作しているんだろうか。
1.何も考えていない
2.何か考えている
 2-1.自分の内部を表現したい
 2-2.世界に何かを訴えたい
 2-3.美を追求したい
 2-3.芸術を通じて社会に貢献したい
短時間だけどざくっとそんなことを考えた。
1のように無心になっている人もいるだろうし、
2のように何かを目指しているものもあるだろう。
上記のうち複数ももちろんあるし、
意味の後付けってのもありうる。
最終ゴールはどこなんだろう。
画家のみならず、音楽とか、彫刻とか、
芸術全般に言える。
この世に存在するもの、
必ず意図があるはずなんだと思う。
作者の制作意図を想像しながら見るのも面白い。
世の中、答えがあることばかりじゃない。
でも答えを考えることは自由だ。
その思考を止めてはいけない。


勝手な想像で、芸術はきっと昔は
貴族が美しいものや珍しいものを収集したく、
お抱えの芸術家として「食べて」いくことが
できる環境があったから発達し、
それが少しずつ庶民の手の届くところに
降りてきたのではないだろうか。
たとえばクルマのように。
何でも、全くカネにならないものは
例外はあっても多くの人が続けることはできないから
廃れていく。
1%でも、何万分の一でも、
光が見える分野だからこそ先に進もうとする人が出てくる。
新しい分野を発展させるには、
プレーヤーに光を見せることか。


転居をし、毎日が新鮮で楽しい。
見るもの、食べるもの、
どれも新しい。
ライフスタイルが変わる。
心の持ちようが変わっている。
表情も変わったかもしれない。
いつかこの日々に飽き、
東京が恋しくなる日がくるのだろうか。
今できることと言えば、
毎日を一生懸命生き、楽しみ、
仕事にまい進することだ。
飽きるかどうかなんて
管理不可能な領域。
そこを考えることは実に不毛な。
管理可能な領域にフォーカスせよ。


読書。
ストーリーを楽しむもの、
新しい知識を得るもの、
アドバイスをもらえるもの。
ドラッカーの本は3番目だ。
読書を途中でやめた。
これは考えながら読みたい。
前回のようにさらっと読むには
メッセージがありすぎる。
読書。
ひとくくりにするなかれ。


まとめ
・答えがないこともある。想像することはできる。
・プレーヤーに光を見せる。
・管理可能な領域に焦点を当てる。
・立ち止まり考えながら読むという読書方法。