(障害者、、、という言葉にかわる他の良い言い方ってないのかなぁ・・・)


電話での問い合わせ・・・

「右のブレーキレバーで後のブレーキが効くように(通常、右は前ブレーキ)できますか?」
「自転車(新車)も販売していますか?」

どちらもOK、と返事をしたら数時間後に自転車のご注文に来られました。

母親と一緒に来店された息子さん用とのこと・・・

色々ご要望・使用方法などをお伺いして、装備仕様などの説明・提案、、、

・・・よく見ると、息子さんの左の手首の先は小さめの手のひら?(骨?)があるだけで指が全くありません。。。(・・・なので左手は握ったりすることができない)

左手でハンドルを支える(添える?)ことはできるし、今までも乗っていたというので、ブレーキワイヤーを左右付け替える(通常の右前だとブレーキが効きすぎてしまうので、右で後ブレーキがかけられるように)、ということで一旦は注文をお受けしたのですが・・・


確か、片方のブレーキレバーというか1本のワイヤーで前後同時にブレーキが作動するようにできるはず・・・

ということで思いついたのがブレーキレバーを加工・部品を付けて2本のワイヤーを同時に引く、という方法。

すぐに使用材料、加工・取り付け方法は考え付きました。 が、さらに他の方法は?と考え直します。


・・・で、新たに考えた右レバーで前後同時にブレーキがかけられる『ブラックボックス』!!

イメージ 1

ブラックボックスの中は企業秘密! ってか、ブラックじゃなくてシルバーですけど・・・  (正確に言うと“シルバー”でもないが・・・ ^ ^; )


たまたま自転車の造形に詳しい先輩が来店、

見せたら「ふ~ん、昔、(自身が勤めていた)会社でも作っていたよ。」って、、、「それ、全部自作ですよ!」

「えっ! ほお~っ。 売ったらいいのに。。。」 「・・・ ^ ^;」



納車に行くとお父様が・・・「右、後ブレーキに替えてくれた?」

「右だけで前後同時に掛かるようにしました。」 「おぉ、そうっ!(そんなことできるのか?)」

試乗した息子さんも「うん、いい感じ。」


スポーツバイクと違って一般車は前後のブレーキの構造が全く違うので、ワイヤーの引き(元に戻ろうとするバネの力)も違ってちょっとセッティングに試行錯誤したが、軽い思い付きから何とか形にでき喜んでもらえて何よりです。

最初に思いついた方式のほうが調整やセッティングは簡単だったのだが、、、強度的にもより安全を考えて、ご家族も普通に乗ることができ、見た目もいたって普通。。。





    『自転車のブレーキは、前車輪及び後車輪をそれぞれ別系統で確実に制動できること』




  *いわゆるピストバイク、シングルスピードにも必ず前後のブレーキをつけて公道を走りましょう!