プルノット:バルバレスコ モンテステファノ 1983 その2 | 古きイタリアワインの魅力を読み解く

古きイタリアワインの魅力を読み解く

イタリアンワインガイド ガンベロ・ロッソ 1988-1989
イタリアワイン界に多大な影響を与えるガンベロ・ロッソ Gambero Rossoですが、この初期(1988や1989当時)のレアなイタリアワインと古酒の数々を、掘り下げて解説します。

Vini d'Italia 1989 Gambero Rosso Vol.111

Prunotto-Barbaresco Montestefano 1983 その2

 

前回の続き、Prunottoです。

 

Beppe CollaからAntinoriにオーナーが移り、Barolo BussiaをはじめBarbarescoなどに自社畑を少しずつ増やしていきますが、残念ながらMontestefanoは購入に至りませんでした。

Montestefanoは長らくPrunottoの看板Barbarescoでしたが、1994年のBeppe Collaの引退に伴い、彼の顔利きで購入していたMontestefano所有者の買いブドウ契約(相手はProduttori del Barbaresco、Gonella、Maffei、 Marcarino、Rocca、更にRivella=Gajaの醸造長Guido Rivellaの会社)を解消します。最終生産年は1994となりました。

Antinoriは地質の調査と畑購入を行いつつ醸造法に関しては手を入れました。1999年には老朽化したセラーを、最新の温度管理機能を備えた施設に一新。発酵槽は、古いコンクリート製のものから、INOXへ。熟成樽はバリックを導入、従来の10,000lスロヴェニアンオーク大樽を、より小さい5,000〜7,500lに変更しました。

 

さて、上記を踏まえるとMontestefano1983は旧スタイル(オーナー&エノロゴはBeppe Colla、買いブドウ、大樽熟成)での醸造となりますが、文句無しの傑作です。

畑位置はBarbarescoきってのポジション。理想的な傾斜、ほぼ全て南向き。Barbarescoの中で最もBaroloらしい出来になるというMontestefano。しかもクラシックな手法で造られた1983は買いブドウも含む構成なれども実に堂々とした出来でした。

契約終了となり、現在は生産されなくなったかと思うと実に悔しい。旧Prunottoは古さが漂うエティケッタの印象と共にやぼったい雰囲気が拭えませんが、現エティケッタのこざっぱりとした感じとは全く違う、実に古式豊かなBarbarescoでした。長期の熟成により液色は薄いのですが酸が残っており、主張し過ぎないタンニンと共に滑らか且つ後味が深く長いタイプです。

自分最高の一本としてもRiserva Montestefano1983を挙げました。なんだかんだと言っても、やはりいかつい堂々としたワインが好きです。

 

当然、会社としては、尊大で無くとっつきやすい赤をさらっと生産する事が一番収益率高いビジネスになるのでしょうが、それにしても手強い赤を追い求める事は良くないのでしょうか?現在のポートフォリオはワイン25種類、グラッパ2種類。現オーナーのAntinoriらしい巨大なカンティーナになりましたが、何気にBarolo Bussia Vigna Colonnello Riservaも生産しており、嬉しい限り。

 

この項 了。

Barbaresco Riserva Montestefano 1983 Prunotto

バルバレスコ リゼルヴァ モンテステファノ 1983 プルノット

Prunotto, Cuneo, Alba  プルノット、クネオ、アルバ

Prunotto, Barolo, Bussia プルノット、バローロ、ブッシア

現行 Barolo Riserva Bussia Vigna Colonnello

バローロ リゼルヴァ ブッシア ヴィーニャ コロンネッロ