ヴィエッティ:バローロ ヴィッレロ (リゼルヴァ)1982 その1 | 古きイタリアワインの魅力を読み解く

古きイタリアワインの魅力を読み解く

イタリアンワインガイド ガンベロ・ロッソ 1988-1989
イタリアワイン界に多大な影響を与えるガンベロ・ロッソ Gambero Rossoですが、この初期(1988や1989当時)のレアなイタリアワインと古酒の数々を、掘り下げて解説します。

Vini d'Italia 1989 Gambero Rosso Vol.01

Vietti-Barolo Villero (Riserva) 1982 Vol.1

 

Viettiはカンティーナ内部、醸造場所、畑ほぼ全てを自社HP上で公開しています。Googleを駆使し、自分の部屋にいながらカンティーナ内を存分に眺め、探検し、あらゆる資料を得られるようになっています。素晴らしいの一言。是非HPをご覧下さい。 https://www.vietti.com

 

元来ViettiはCastiglione Fallettoが本拠地ですが、Baroloだけで6種類を産し、他にもBarbaresco1種、Barbera5種、忘れてはならないRoero Arneisまで含めると合計で17種類の錚々たるポートフォリオです。

Baroloのみ下記します。

 

Ris.Villero (Castiglione Falletto) 今回はこれを解説します。

Rocche di Castiglione (Castiglione Falletto)

Castiglione (Castiglione Falletto)

Brunate (La Morra)

Ravera (Novello)

Lazzarito (Serralunga)

 

素晴らしい畑配置ですね。本拠地のCastiglione Fallettoでミックスタイプ1種、クリュ2種、更に主要Comuneに1つずつの配置。種類は多くとも、全て理解しやすく整えられ、隅々まで情報公開が行き届いており、全てが高品質な事がViettiの最大の武器です。生産者として、この真面目な姿勢と将来性を買われ、昨今話題となった大型買収に繋がる原動力となります。以前書きましたが、無頓着、不得手、秘密主義の多いPiemonte生産者では考えられません。このご時世、CSRが明解でなければ、なかなか巨額の資本投資を得たり、巨大グループの傘下となったりする事は難しいからです。

 

Ris.Villero (Castiglione Falletto)

Vini d’Italia評価(カッコ内)に生産本数を明記しました。

3B:82(8900bt)、01(3785bt, 100Mg)、04(3728bt, 100Mg)、06(3506bt, 100Mg, 5DMg)、07(3726bt, 100Mg, 5DMg)、09(3593bt, 100Mg, 5DMg)

2B:85(5400bt, 200Mg, 15DMg)、90(1850bt, 50Mg, 5DMg)、96(3873bt, 50Mg)、97(3540bt, 51Mg)

評価されず:89(1910bt, 85Mg, 12DMg)、

※上記以外のヴィンテージは生産されておらず、その場合、全てのブドウはBarolo Castiglione又はNebbiolo Perbaccoへ混醸される。

 

Vini d’Italia1988でご紹介したG.ConternoのMonfortino、A.ConternoのG.Bussia、CerettoのBricco Roccheに匹敵し得ます。

 

Vini d’Italia1988でTreBicchieriを獲得していないのは、単純にまだ造られていなかったから。82がファーストヴィンテージで、その後は上記のヴィンテージしか生産されていません。但し、82、85、89(或いは90も)は買いブドウでの醸造、90年に畑(0.57h)の借地契約を行い、以降は借畑や購入畑を増やしつつ生産しているはずです。畑面積や密植度・Curradoの造り方を加味して考えると、1982年のVillero生産本数8900本は余りにも多く、計算に合わなかったのですが、買いブドウであるとすれば理解できます。85、89、90と生産方法の微調整を行い(90も買いブドウと考えられる)、96以降は借畑での自社栽培に着手、生産基準が確立した後は品質・生産本数も確立されTreBicchieriを連発します。

 

Luca Curradoの造り出すワインの数々は非常に魅力的です。この項で全てを取り上げる事は出来ませんが、次回からはVilleroの畑とワインの魅力を探ってみましょう。