Vini d'Italia 1988 Gambero Rosso Vol. 58
Distillati&Liquori di Gualtiero Marchesi その4
Clément
-Trés Vieux Rhum Agricole Pur Martinique 1952 Domaine de L’Acajou
週一のマルケージバーワゴン&バー棚紹介。今回はマルティニーク・ラムのClémentです。
イタリアでシガーを覚えました。マルケージでお食事されたお客様から、後日、食後のシガーサービスの件でクレームをもらった事が発端です。当時シガーサービスを担当していたメートルの代わりに、私がそのお客様からシガーの教えを乞う事になり、以降彼から全てを教わりました。名著『Sigaro』の著者Andrea G.Morinariがその人です(シガーとMolinariの話も何れ書きましょう)。
以来、シガーと飲み物の組み合わせを様々行いましたが、結局、私が行きついたのがVieux Rhumです。
コニャックやカルヴァドス、樽熟グラッパなど果実ベースのブランデーの場合、その飲み物の繊細な薫りがシガーに負けると感じたのです。以降、シングルモルト、バーボン等の穀物系の中で探した結果、やはり私なりに一番腑に落ちたのがラム。但し、Vieux RhumでMartinique、Agricoleであればと、少し贅沢な条件を付けました。
出来れば今回の様なシングルヴィンテージ。やはり果実由来の薫りが控え目で、長期熟成によって複雑な薫りが欲しいかなとは思います。
Clémentはブランドイメージの割には大手で、製造本数もそこそこあります。HPのポートフォリオには1952が掲載されていました。
1970も1976も掲載されています。HPで直販は行っておりませんでしたが、頑張って探せばまだ入手可能ですか。
J.Ballyも良いですが、少し張り込んで入手出来ればと思います。或いは、少し値を抑えたとしても、ガイアナ、マルティニーク、グアドループ、ハイチ、ジャマイカ等同じカリブ原産なら相性抜群でしょう。
Samaroliも最後はラムだ、と強く語っていました。100年物のサンプル瓶をもらい、次回には感想を言い合おうと約束していたがそのまま帰国。後、彼はご逝去。最後、彼と共に食後酒ワゴンのラインナップを仕上げ、乾杯したかったと、今でも心残りです。
さて、シガーに関して。私はイタリアで太巻きを好んで吸っていたのですが、その時のストロークピッチがやたらめったら速く、どうしても一分間に一呼吸という大原則を守る事が出来なかった。どれぐらいのストロークかと申せば、EsplendidosやChurchill、Lusitaniasは早い時には30~40分位で根元まで吸い切る位。(お薦め喫煙時間100~120分)。マルケージの営業後は毎日必ずBellavistaのブドウ畑、Vigna Leoneの真ん中にあるヘリポートで2~3本吸う程(ソムリエナイフホルダーの中にストレートカッターは常備。流石に噛み切る事はありません)。当然、ピッチが速ければシガー断面の燃焼面積は常に広く、更に一吸気の多さにシガー葉の化学反応もついていけず焼け壊れ気味。当然、煙も過多となりますが、毎日100本ペースでワインサービスをするマルケージ営業後はアドレナリンも出まくっているので仕方ない。まあ、折角のシガー、行儀よく楽しむかと相棒を探した結果、その過多な煙に耐えられた飲み物がラムだったという訳ですね。
前述のAndrea G.Molinariとは、一緒にキューバのカストロ議長にご挨拶に行く約束をしていたのですが、残念。
私はその前に帰国しました。
Molinariはその後、ちゃんと議長にお会いして、バンバン背中を叩いたらしい。無茶苦茶だなあ。よく暗殺されなかったものだと思います。
証拠の写真も載っけました。
来週に、また一本、マルケージのワゴンからご紹介します。