真説ミリアムの魔術書・武術家たちの誇り (THE REAL FIGHTERS)  -19ページ目

ゴルドさん爆睡につき

え・・・・?? なこと

魂の橋で

橋の先でケイティ(アークエンジェル)とエヴァンが様々な魂を待っている。



「ケイティ、ケイト?」


「どっちでもいいわ。両方で呼ばれていたの」


「会いたい人はいるかい?」


「そうね、お父さんやお母さんに会いたいかな。でもここにいるかぎりは無理ね。わたしは人としては死んでいるし」


「好きな人はいるの」


「エヴァンが好き。ほんとよ、優しい男の子が大好きなの」


「ありがとう。アークエンジェルのお役目がすんだら、一緒に神様のところへ行こう」


「そうね。約束よ」




ターシルVSサムソン・3 赤い瞳が見つめる風景

 ターシルの真っ赤な瞳が自分を見ている。


 寂しそうな顔。


 そんな顔で・・・。


 消えるんだ。


 はっきりわかる。


 ターシルはサムソンを貶したかったのではない。哀れみを感じるからこそ、冷たく突き放し、そうして闘おうとしていた。


 それでも。


 実際に存在そのものが薄れゆくサムソンに、もう闘うことなどできなかった。それがあまりにも予想外のことで、ターシルはそこに困惑している。


 木の実を砕いてとった種子を使って故意に充血させた瞳は曇っていく。存在しなかったはずなのに実体化させられ、消えてゆかねばならない男を見て。

 本当なら自分と同じに拳を使って闘う男の無念の終わり方を見るのは、消す側に回った者の避けられない務めかもしれない。


 それももう終わる。



 サムソンは困惑する。

 

 ぐるぐると目が回るような感覚。


 

 なのに何も思い出せない。


 一瞬前まできっと思い出せた出来事、人物、すべてが真っ白な空間に溶けてゆく。


 手のひらからさらさらと砂が流れるように、繋ぎ止めたい記憶は流れ自分の中から失われてゆく。


 摑んでも指の隙間からこぼれてゆくように。



 もっと知っていた。


 人、出来事、風景、感触。


 わからない。


 自分が誰なのかも。どんな顔をしてどんな声で語って。



 目の前に真っ赤な目の巨体。


 自分を殺そうとしている。


 それでもいいよ。でも教えてくれ。


 あんたは誰だ? 俺は誰だ?



 きっと愛していた少女や・・・・どうしてここにいるのか・・・・。



 消えるのか?



 どうしてここに生まれた。何をしてきた。何のため?



 消えるんだよ、そうか。



 竜巻が起こる。サムソンの体の中心”コア”から生まれた宇宙。


 それは内側からサムソンの体を破壊する。


 土くれのように崩れるサムソンの体。


 「・・・・・こういうとき、人は過去の記憶が脳裏を巡るというがお前にはそれもないだろう。暗闇の中に沈むように消えていく。懐かしい人間を思い出にすることもできない。憐れなり」



 ”なあ、俺は誰だ? 俺なんていなかったのか。そうか・・・・? わからないんだ。さっきまで何かを考えていたんだ、それすらも・・・”



 ターシルは崩れてゆくサムソンに背を向けた。


 もう終わったのだ。




 ”きっと何かがあったんだ少し前。ここに来る前、きっと・・・・でも何もわからない。立ち去るあんた、待ってくれ、教えてくれ。俺は誰だ?”



 風が篝火を揺らす。


 その風に吹かれ、サムソンの存在は文字通り消えた。


 一片の存在の証も記憶も残さずに。



 ターシルは無になった背後を感じる。

 そして呟いた。



 「完了」


 

 サムソン消滅。






異次元猫・ゴルド



ターシルもいいが、ソロソロ俺が船底で活躍ダ。