5年前の初冬、素敵な一冊に出会った。
ターシャ・テューダーの庭、というハードカバーだった。
自然に恵まれたアメリカバーモント州の片田舎で、
ガーデニングを中心にした質素な生活。
自然と私の共存をテーマに住空間を作った
90歳を超えた婦人。
(すでに2008年6月に逝去)。
正確には老婆というべきだろう。
その彼女の、口伝や手記をまとめた本だった。
彼女の住む前世紀そのままのレンガばりの家や、
色とりどりの緑の庭が見開きの写真で紹介されていた。
その日からしばらく、僕の中に
25年前に100歳で他界した曾祖母の姿を彷彿とさせるように
ターシャが棲むようになった。
冬を過ごすお婆さんの彼女がかわいく、素敵に思えた。
美しい歳の取り方をする女性の代名詞として。
彼女は、家の近くにある森で採取した草木を
イメージのままにデフォルメする。
針葉樹の葉と枯れた枝でリースを編む。
あと2週刊もすると町角にイブの足音が聞こえるようになる。
彼女が30代の頃、写真は白黒だった。
彼女のセピアの日常が私の中でフルカラーになる。
