町は季節の移ろいとともに色づいていく。
路面も建物の屋根も、そして山野も、雪を待つ
静かな透明感に満ち始める。
今から、そう遠くない日に、
細雪がシルバーグレーの空から舞い降りる。
寒気は身体の表面だけ。心の奥までは凍えない。
ウィンドウが赤と緑で染まり、流れる音楽は
達郎のシーズンズ・オブ・グリーティングス。
白いア・カペラ。
町のイルミネーションはLEDの白と青で綴る
ホワイトクリスマスモードだ。
ポリフォニーが紡ぎ出すのはイブへのカウントダウン。
ジングルベルは、ハートで聴くもの、鳴らすもの。
と言ったのは、幼稚園の園長先生。
もう45年も経つのにあの言葉は忘れない。
友人は、幼稚園のクリスマス会で息子たちのために
サンタ・クロースに変身し、
園児たちにプレゼントする役目を担っていると聞いた。
目のコジワが、深みを増し、白髪が多くなり、
小太りの彼にはピッタリだろうと思えた。
幼稚園はカトリック系で、聖テレジア幼稚園だった。
クリスマス会には、全員でツリーを飾った。
が、まだあの頃サンタクロースは実在し、
クリスマスという別名だと錯覚していた。
なんて遠い日だろう。
~Silent-night,holy-night,my gift to you.~♫
