重度の化学物質過敏症の暮らしというのは、まだ社会にも知られていないのかもしれません。重症の化学物質過敏症がどういうものなのかというところを書いてみようと思います。
私は、発症当時が重症すぎたので、これでも発症当時よりは、身体は楽になっています😊💦それでも、まだほとんどの時間はただ苦しんでいます。
化学物質過敏症は、個人差の大きい病気で、アレルギーのように体調を崩すものが人それぞれです。重症になると、各々の大丈夫なものがお互い大丈夫とは限らず、それが空気のレベルで生じるので、お互い一緒に過ごせないくらい体調を崩すものに個人差があります。
タバコや柔軟剤など、お互いに苦しくなるという共通のものもある程度あるのですが、重症になると、例えば、使える空気清浄機も各々違って、使えない空気清浄機を回されると空気を共有するので、一緒に居られないといった状態のことが、生活の細部に渡って起こります。
それでは誰も助けられない、近づけないと思われるかもしれません。実際そういう状態の患者さんもいらっしゃいますが、重症であっても、日用品などを無香料や自然由来などに変えていただくことで、お会いできるようになる方々も多くいらっしゃいます。私も今はこのレベルまで回復してきています。
最も重症だった時は、飲食が出来なくなりました。ひと匙掬って水を飲むといった具合です。この病気の恐ろしいところは、悪化するとその支障は飲食にまで出て、飲食できるものがなくなるという点でもあります。一方で、化学物質でもある薬にも、重篤な症状が出て使うことができなくなります。
自宅に居られなくなる方も少なくありません。しかし、さまざまな理由で、家屋の日用品の残り香であったり、屋外からの農薬や喫煙、香害と住まいが見つからないのです。
化学物質を避けて山や森に篭る方もいます。逆にそれができない方々もいます。私も、花粉などにも呼吸が苦しくなるので、森に近づけません。多くの化学物質に体調を崩す病気であると同時に、体調を崩すものは必ずしも化学物質だけではないのです。
学校にも行けなくなり、仕事も辞めざるおえなくなり、社会からも孤立してしまいがちです。
化学物質過敏症の症状はさまざまですが、症状はアレルギーにも似ているのかもしれません。私の主な症状は、咽喉の狭窄と浮腫、肺の痛み、呼吸困難、長い間化学物質の暴露が続くと、血痰や下血も生じます。食べられる飲食物も限られています。
そのような中にありながら、化学物質のたくさんある病院にも入れなくなり、薬も使えないということで医師の手にも負えなくなり、重症になればなるほど、医療からも、切り離されてしまいます。
症状が出ると、数時間出血が止まらず唇が紫になっていく子ども、私のように呼吸困難時にパルスオキシメーターで数値を測ると90を切るもの、ショックのように血圧が下がるもの。
一昔前のアレルギーのように、命に関わる重篤な症状の患者も少なくないと思うのですが、医療に繋がれず、社会から切り離されていて、実態が掴めていないと感じています。
急性の症状を避けるために、空気を求めて車を夜通し走らせる家族、車で過ごすもの、山頂にひとりで住むもの、引っ越しを繰り返すもの。
身体に障る物質を避けられれば、時間をかけて回復していくこともある病気なのですが、化学物質を始め、化学物質過敏症患者の体調を崩すものはたくさんあります。重症になればそれが多岐に渡っていきます。回復どころか悪化していくことも少なくありません。空気が相手でもあるので、どのように生き、生活したら良いのかと、途方に暮れることもあります。
