昨日から続いていたチリの鉱山の地底で生きながらえていた33人が見事に救助された。
もし、自分が地底のあのようなところに閉じ込められたら、と考えると耐えられない気持ちに襲われる。
滅多にあってはならない不運と、滅多にない幸運とが背中合わせになった状況での、今回の救出劇は、人生一筋縄ではいかない、すさまじい暗もあれば、それを打ち消す明もある。
暗黒から地表に引き上げられた全員が眼の保護のためにサングラスをかけているせいだろうか、33人の救出された人たちが受けた体験が発する感情の塊のようなものが、ずしりとした気配として迫ってくる。
ふと涙腺がゆるんだのは私だけだろうか。
私が生まれる前に、私のおじが炭鉱落盤事故で若い命を落としているからだろうか。
まだサングラスをかけた33人はこの事故とともに、これからを生きていく。
明るく生きる方向に導かれることに期待したいし、必ずそうなると思っている。