11月のある休日、しづちゃんと丸の内のフレンチ、『ブルディガラ丸の内 ザ・レストラン』で過ごす素敵な午後の続き。
窓の外には東京駅丸の内駅舎。
窓際のテーブルの若いカップルはランチを終え、席を立ったばかり。
この後にも予約が入っていて、直ぐに次の客がテーブルに着く。
『ブルディガラ』は広尾に本店があるブーランジュリーで、ここはそのフレンチ・レストラン。
名前入りのブリオッシュがとても美味しい。
ソムリエの柄目さんがテーブルに来られ、「イル・ボッロが丁度二杯分あるのですが、よろしければ飲まれませんか」とのこと。
イル・ボッロ村は、フェラガモ・ファミリーが運営する総合リゾート兼ワイナリーで、ワインのイル・ボッロはそのフラッグシップ。
実は9月にここで開催された”イル・ボッロ スペシャル・ディナー”に参加し、サルヴァトーレ・フェラガモ氏と共にこのワインを飲んでいる。
サルヴァトーレ氏と話しが弾み、ツーショット。
少し紫を帯びた濃厚なガーネット。
熟したプラムやカシスの香り。
強いがまろやかな果実味、優美なタンニン。
力強く洗練されたワインだ。
セパージュは、メルロー50%、カベルネ・ソーヴィニヨン35%、シラー15%。
ぶどう栽培はビオディナミ。
アントレの次に、何故かパスタ。
”イル・ボッロ スペシャル・ディナー”の時はイタリア・ワインということで料理もイタリアンになっていたが、今日もパスタが出された。
最近はフレンチとイタリアンの垣根が低くなっているので、これも楽しい試みと言える。
黒毛和牛、マッシュルーム、パルミジャーノ・レッジャーノ。
白ワインベースのソースが使われている。
このパスタ、素晴らしく美味い。
牛肉が使われているので、濃厚なイル・ボッロにもよく合う。
続いて、赤ワインのボトルを抜栓。
フランス、ラングドック地方の人気の造り手、ジャン・クロード・マスが手掛ける、ヴィニウス、アート・エディション、2022年。
ジャン・クロード・マスのワインは間違いなく美味しいので、安心して選ぶことが出来る。
ぶどうはカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー。
ヴィニウスは、ジャン・クロード・マスの自然環境への強い想いを表す、架空の鳥。
ポワソンは、ムール貝、本日の鮮魚、サフラン。
ムール貝はモンサンミシェル産。
本日の鮮魚は真鯛。
根井シェフがテーブルに来られ、「今日の料理は大丈夫でしょうか」と話しかけられる。
「アントレの赤、ポワソンの黄と、色彩豊かで楽しいです」と私。
「まだまだ発展途上ですが、そう言っていただけると嬉しいです」とシェフ。
サフランのソースが真鯛に良く合う。
真鯛の下にはリゾット。
ここにもイタリアン。
リゾットには、ズッキーニ、ポテト、インゲン、エリンギ、サラミが使われ、周りにはビーツが散らされている。
青い葉はルッコラ。
ヴィアンドが届いたと思ったら、根井シェフが再びテーブルに現れ、黒トリュフを皿に削りかけてくれる。
「高原さんにまた来ていただいたのでプレゼントです」とのこと。
”イル・ボッロ スペシャル・ディナー”の時の根井シェフ。
テーブル上が黒トリュフの香りに包まれる。
黒毛和牛、八丁味噌、マディラ。
八丁味噌とマディラ酒のソース。
カボチャのジュレ、シャンピニオンのエキューム。
黒毛和牛の火入れが素晴らしく、口の中でとろける美味しさ。
デセールが届く。
モンブラン、洋梨、ノワゼット。
モンブランのアイスクリームの下には洋梨、上には砕いたノワゼット(ヘーゼルナッツ)。
食後は熱いコーヒーで、いっぱいになった胃を癒す。
普段は砂糖もミルクも使わないが、こうして出されるとコーヒーの残り半分にはミルクを加えて飲んでみる。
今日の根井シェフの料理も素晴らしかった。
根井シェフの黒トリュフ、柄目ソムリエのイル・ボッロのプレゼントにも感謝のランチだった。
『ブルディガラ』を出たところで、お隣のフレンチ、『エリックス バイ エリック・トロション』の大塚店長と目が合ってしまった。
「あら、今日はお隣だったのですか」と大塚さん。
「次は大塚さんのところに行きますよ。美味しいシャンパーニュをお願いします」と私。
何かと楽しい丸の内の午後は続きます。