新規就任シェフの料理を堪能、ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座 2 | ワインは素敵な恋の道しるべ

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

昨年10月のこと、彼女と銀座の馴染みのフレンチ、『ブラッスリー ポール・ボキューズ 銀座』で過ごす楽しい夜の続き。

仲良しだった星野シェフが金沢に異動となり、今夜はその後任に就任された鈴木シェフの特別コースを初めて味わっている。

 

マルグリット・ギュイヨのシャンパーニュ・ロゼの次は、白ワイン。

エチケットがとても可愛い。

 

ドメーヌ・アンリ・フックスが造る、アルザス・ブラン、レ・プティ・カイユー、2022年。

”レ・プティ・カイユー”は、”小石たち”という意味で、ぶどう畑に多くある小石のこと。

 

シトラス系の爽やかな香り、綺麗な果実の凝縮感、活き活きとしたミネラル、複層的なストラクチャーを持ち、後味にはグレープフルーツの皮の心地よい苦み。

セパージュは、ピノ・グリ35%、リースリング25%、ミュスカ25%、シルヴァネール15%。

ぶどう栽培はビオロジックで、AB、エコセール、ユーロリーフのオーガニック認証を取得している。

 

プチ・ブールとバターが届く。

今まではフランスから冷凍で生地を輸入し店で焼いたバゲットが使われていたが、自家製パンに代わった。

 

ポワソンは、真鯛のコンフィ、牛蒡のピューレと白ワインのソース。

 

牛蒡の泥臭さは全くなく、濃厚なソースが淡白な白身に絡んで美味い。

 

二種類目の白ワインは、ルイ・ジャドが好きな彼女のために、竹内支配人が特別に選んでくれた。

 

ドメーヌ・ルイ・ジャド、サントネイ・ブラン、クロ・ド・マルト、2020年。

サントネイはコート・ド・ボーヌの南部、シャサーニュ・モンラッシェの南側にある村で、クロ・ド・マルトはルイ・ジャドが単独保有する7haのモノポール畑。

ぶどうは1940~1950年代に植樹されたもので、樹齢が高い。

 

シトラスの爽やかな香り、そのあとに熟したアプリコットや洋梨の香りが続く。

綺麗な果実味と活き活きとした酸とミネラルのバランスが素晴らしい。

クロ・ド・マルトの畑では6haがピノ・ノワールで、シャルドネは1haのみ。

このサントネイ・ブランは貴重なワインだ。

竹内支配人に感謝。

 

気が付くと、入店時はガランとしていた店内はほとんど満席となっている。

 

赤ワインは、初めて飲むワイン。

 

南仏ラングドックの、シャトー・プシェ・オー、プレステージ、ルージュ、2020年。

プラムのコンフィチュールのような濃厚で甘い香り。

凝縮された強い果実味、タンニンは強いがまろやか。

アルコール度数は14.5%と高いが、果実味があるのでアルコールアタックは感じない。

 

セパージュは、グルナッシュ55%、シラー35%、カリニャン10%。

パンチの効いた強いワインだ。

 

ヴィアンドは、鴨胸肉のロースト、赤ワインソース。

ソースを堰き止めているリングは、セロリのピューレ。

赤ワインソースにはフォン・ド・ヴォーが加えられている。

 

ズッキーニで巻かれた焼き野菜のプレゼンテーションが面白い。

 

鴨の肉厚と焼き色が食欲をそそる。

鴨は大好きな食材で、この秋は結構な回数食べている。

 

デセールは、美瑛カボチャのクレーム・ブリュレ。

デザインはハロウィン仕様。

 

彼女にはこちらが届いたが、私のデザインの方が好きだというので交換。

ポール・ボキューズのクレーム・ブリュレは美味い。

 

食後はいっぱいになったお腹を濃いコーヒーで癒す。

鈴木シェフとお話しをしたかったが、店内は満席で厨房は目の回る忙しさのため自重する。

 

竹内支配人に見送られ、満腹満足で店を後にする。

 

「マロニエゲート銀座1」を出ると、外堀通りを数寄屋橋交差点方面に散策。

銀座の柳が一本枯れている。

彼女と過ごす、楽しい銀座の夜でした。