昨年7月のこと、しづちゃんと共に高知の赤岡で開催されている「絵金祭り」に参加した楽しい午後の続き。
絵金蔵の前には、高木酒造の振舞い酒のブース。
プラカップでお酒をもらっても良いのだが、折角なので豊能梅の枡を購入。
購入した枡になみなみと酒を注いでもらう。
酒は、豊能梅 土佐の夏純吟。
毎年夏に飲んでいる、大好きな純米吟醸酒だ。
家のセラーにも1本入っていたので、参考までに写真をアップ。
弁天座前の出店で揚げ物を買い、食べながら酒を味わう。
酒を飲んでいると、絵金歌舞伎の第二部が始まるとの案内が。
急いで食べ終えると、パンフレットを購入し、酒枡を持ったまま弁天座に入館。
今回観る演目は、義経千本桜~鮨屋の段~。
約一年前に片岡仁左衛門主演で”鮨屋の段”を歌舞伎座で観ているので、あらすじはわかっている。
歌舞伎座での鑑賞記事はこちら。
幕が開く。
土佐絵金歌舞伎は、子供歌舞伎。
子供たちがほとんど全ての役を演じるのだ。
謡いと三味線は流石に大人の役割。
義太夫、常磐津、清元、長唄は見台で見分けることが出来る。
この房が付いた見台は義太夫。
どのくらい練習をしているのだろうか。
長台詞も難解な台詞もどんどんこなし、舞台は佳境に入っていく。
梶原平三景時が三位中将維盛の詮議に訪れる。
花道での演技も本格的。
維盛一家を助けるため、いがみの権太は若侍(小金吾)の首を維盛として、そして自らの女房と倅を、維盛の妻=若葉の内侍と息子=六代の君と偽って差し出す。
身代わりとは知らず、権太の行いに怒った鮨屋の弥左衛門に刺され、苦しい息の下で権太は真実を話すところで、幕となる。
これは見応えのある舞台だった。
歌舞伎鑑賞を終えると、絵師金蔵の芝居絵を観に行く。
途中、浴衣姿の女性四人組と出会う。
その中のお一人が、かずみさんの奥様。
この人混みの中でも出会えて互いに喜びあう。
狩野派の絵師、弘瀬金蔵(1812~1876)は江戸末期から明治初期に活躍し、その芝居絵は赤岡町に23枚が残されている。
絵金祭りではその絵が民家や商店の軒先に飾られ、鑑賞することが出来る。
絵は蠟燭の光で照らされ、妖しい雰囲気を醸し出している。
それぞれの絵には説明者が付いていて、題材となっている芝居の説明をしてくれる。
それぞれの絵の前には多くの人だかり。
説明が終わるとどっと入れ替わるので、前方に進み出て撮影。
撮影は自由だが、フラッシュは禁止されている。
説明者の多くはボランティアで、学生も多いのだそうだ。
全ての説明を聞いてみたいが、枚数が多いので時間がかかる。
適当に端折りながら見て歩く。
江戸末期から明治初期に描かれた芝居絵が良い状態でこれだけ残っていることは素晴らしい。
芝居絵は一つの場面を描いたものではなく、登場人物を一つの画面に集約し複数の場面を同時に描いたものが多いようだ。
23枚の絵の内、ここまでで10枚を鑑賞。
しづちゃんと過ごす、楽しい高知旅は続きます。