8月のこと、友人達と十条の人気の日本酒バー、『にほんしゅ 椿』で過ごす楽しい夜の続き。
今夜のメンバーは、すみれさん、茶目子さん、そして私。
次に出された酒は二種。
岐阜県岐阜市の白木恒助商店が醸す、達磨正宗 熟成三年。
日本晴れを70%まで精米し、常温で三年間熟成させた酒。
淡い琥珀色、まろやかな米の旨みの中に、炒ったナッツのニュアンスも。
福島県西白河郡の大木代吉本店が醸す、楽器正宗 特別本醸造 フォルテピアノ。
アルコール度数を13%と低く抑えた、フレッシュで爽快な酒。
使用米は夢の香、精米歩合は60%。
楽器正宗は冷酒で、達磨正宗はぬる燗で。
合わせている料理は、煮卵の牡蠣醤油漬けイクラ乗せと、トロパン。
続く料理は、桃とクリームチーズの春巻き、蜂蜜と山椒がけ。
桃とクリームチーズを合わせ、春巻きの皮で巻いて揚げるとは、斬新な組み合わせ。
甘味と塩味、トロっとした食感とサクサクとした食感の組み合わせが楽しい。
添えられているのは、ディル。
この料理に合わせる酒は、二種の飲み比べ。
三重県多気郡の河武醸造が醸す、”新しい本醸造酒”のシリーズ。
AMAYADORI 天泣 -prototype-。
フルーティーな吟醸香、生酒のまろやかな米の旨み。
麹米は五百万石、掛米は三重県産酒造米、使用酵母はMK-3。
MK-3はカプロン酸エチルの生成が多い吟醸酒向きの三重県酵母。
AMAYADORI 宿雨。
AMAYADORIシリーズの第二弾。
フルーティーな香りは共通ながら、柔らかな酸が米の旨みを包み、一層まろやかな仕上がりとなっている。
使用米は非開示、精米歩合は65%、使用酵母は協会601。
天泣は冷酒で、宿雨はぬる燗で。
メイン料理が届く。
ポークソテー、イチジクソース。
肉は肩ロース。
ソースはバルサミコ酢に蜂蜜を加え、イチジクと共に煮詰めたもの。
酸味と甘味のバランスが素晴らしい。
合わせる酒は、京都府与謝郡の向井酒造が醸す、伊根満開 古代米酒。
伊根町で特別栽培した紫小町という古代米(紫黒米)と京都産米の白米を原料として醸造されている。
色合いは、淡い赤。
常温とぬる燗で飲み比べ。
基本甘味が強い酒だが、酸があるのでそれほど甘く感じない。
料理の甘酸っぱいソースとよく合う。
ペアリングコースはこれで終わりだが、追加でもう一杯飲むことにする。
選んだ酒は、ハローワールド、無濾過生原酒。
エチケットは、”ハローワールド”が日本語、中国語、英語、スペイン語、韓国語で表記されている。
この酒は、栃木県さくら市のせんきんと『サケラボ トーキョー』(『にほんしゅ 椿』の姉妹店)のコラボ酒。
使用米はさくら市のドメーヌさくらの山田錦、精米歩合は麹米が50%、掛米が60%。
三人で〆の乾杯。
華やかな香り、洗練された米の旨み、綺麗な酸がボディを引き締める。
料理と日本酒の素晴らしいマリアージュに満足し、店をあとにする。
友人たちと過ごす、十条での楽しい夜は続きます。