代官山のフレンチ、『メゾン ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
シャンパーニュ、スイートワイン、白ワインの後は、素敵な赤ワイン。
南ローヌのドメーヌ・ガルティが造る、コート・デュ・ヴィヴァレ、2011年。
アラン・ガルティはコート・デュ・ヴィヴァレの天才と言われており、コート・デュ・ヴィヴァレがAOCに昇格したのは1999年だが、彼のワインだけは1995年からAOCに認定されていた。
フランボワーズ、ブラックベリー、カシスの香り。
口に含むと、素晴らしい果実の凝縮感と熟成感。
複層的なストラクチャーを持ち、余韻は長い。
アルコール度数は14.5%と高いが、果実味が強いのでアルコール・アタックは感じない。
やはりアラン・ガルティのワインは素晴らしい。
セパージュは、シラー70%、グルナッシュ30%で、ぶどう栽培はビオディナミ。
ぶどうの平均樹齢は40年で、古いものは80年。
鴨胸肉のロースト、ジューソースとトリュフのアクセント、モモ肉のコンフィーのクロケット、青梗菜のプレゼを添えて。
鴨の火入れが素晴らしく、とても美味い。
クロケットにはモモ肉のコンフィーがぎっしり詰まっている。
肉料理には野菜料理が別皿で添えられるのが『ポール・ボキューズ』。
そのため料理の量が多くなるが、リヨンの美食家たちは大食漢なのだ。
鴨にアラン・ガルティのワインは強すぎるのではと思ったが、この鴨は旨味が強く血の味もするので、とても良く合って美味い。
コート・デュ・ヴィヴァレも既に3杯目。
鴨ばかり食べているが、青梗菜のプレゼも食べなければ。
最後は白ワインを再度注いでもらい、青梗菜を片付ける。
飲んでいる白ワインは、ペサック・レオニャンの銘醸、ドメーヌ・ド・シュヴァリエを擁するベルナール家がソーテルヌで造る辛口の白、クロ・デ・リュンヌ、キュヴェ・リュンヌ・ダルジャン、2014年。
デセール・ワゴンが運ばれてきた。
「お好きな物をお幾つでもお選びください」との誘惑には勝てない。
私が選んだのは、リヨンの『ポール・ボキューズ』のスペシャリティ、ウ・フ・アラネージュ。
とても大きいが、メレンゲで作られているのでサクッと食べることが出来る。
それと、大好きなラム酒風味のババ。
たっぷりリキュールが浸み込み美味い。
彼女が頼んだのは、ケーキが4個にクレームブリュレ、マカロンとトリュフショコラ、そして何かのカップがひとつ。
このケーキのひとつひとつがフルサイズなのだ。
もうお腹いっぱいと言いながら、完食。
私以上に食べるのに、とてもスリムなのが七不思議の一つ。
お供はコーヒー。
いっぱいになったお腹を癒してくれる。
先﨑支配人、大友ソムリエに見送られ、階段を上り店をあとにする。
何時もは入砂料理長とも挨拶を交わすのだが、この日はまだ厨房が忙しく手が離せないようだ。
店に着いた時はまだ明るさが残っていたが、外はすっかり夜の帳に覆われている。
代官山フォーラムの一階は、ジュン・アシダのショップ。
お腹がいっぱいなので、車には乗らず夜の代官山を少し散策することにする。
この時期、代官山T-SITEにも人は少ない。
『リストランテASO』の欅の森は今夜も明るく輝いている。
彼女と過ごす代官山の夜は素敵に更けていきました。