六本木ヒルズで彼女と待ち合わせ。
車で向かった先は西麻布の一軒家フレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』。
”もうひとつの何時ものレストラン”である。
正面玄関に車を乗りつけたが、閉まっている。
とうことは今夜は満席で、二階のレセプション・スペースもダイニングに使用しているということだ。
建物の横に回り、一階にある入口から入館する。
レトロなエレベーターで向かったのは、三階のメイン・ダイニング。
坂元支配人に聞くと、やはり今夜も満席なのだそうだ。
私達は、何時ものテーブルに案内される。
さて、今夜もどんな料理とワインに出会えるか楽しみだ。
テーブルの上には、何時もパリの小物が置かれている。
今夜はエッフェル塔と凱旋門とトリコロールの雄鶏。
アペリティフは、洋梨のカクテル。
「高原様、お久し振りです」と届けてくれたのは、驚いたことに広尾の『レストランひらまつ』のソムリエ、石井さん。
今夜は広尾から応援に駆け付けたのだそうだ。
洋梨のピューレとシロップを、ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット、ミレジム、2015年で割ったカクテル。
隠し味にマンゴーのピューレが加えられている。
今夜はここで焼かれたバゲット。
皮はパリッと中はしっとり。
美味しいので三個も食べてしまった。
そしてアペリティフも美味しいので、三杯目。
ソムリエ試験に合格し、晴れてここのソムリエールに昇格した田中さんが届けてくれた。
仲の良いスタッフがソムリエに昇格するのは嬉しいことだ。
前菜は、アッシュ・パルマンティエ。
アッシュはみじん切りのこと。
パルマンティエは、それまで家畜飼料だったジャガイモを人間の食料とすることを提唱した人物の名前。
つまり、ジャガイモ料理のこと。
中身は、牛肉のミンチとジャガイモのみじん切りのミートソース、オレンジ風味。
白いソースは、ジャガイモのムース。
上に振り掛けられた京都産のあられがアクセントになっている。
そろそろ白ワインに切り替えることにする。
アルフォンス・メロが造る、サンセール、ラ・ムシエール、2010年。
アルフォンス・メロはサンセールで19代続く名門。
華やかな柑橘の果実香と、熟成からくる完熟果実のエステル香。
熟成した良い白ワインだけが持つ複雑なストラクチャー。
何度飲んでも美味いソーヴィニヨン・ブランだ。
ラ・ムシエールは、サンセールの丘の頂上部にある最良の畑の名前。
魚料理は、島根県浜田市産カマスと牛蒡のテリーヌ、土佐醤油のサバイヨンソース。
テリーヌには、カマスの実をすり潰したムースと、そのままの切り身が使われている。
添えられているのは、牛蒡のフリットとスプラウト。
「牛蒡の香りが素晴らしいわね。このサバイヨンソース、お味噌みたいな味が微かにするわよ」と彼女。
「隠し味に土佐醤油が加えられているそうだよ」と私。
柔らかなムースと歯応えのある牛蒡の食感の組み合わせも面白い。
硬さが異なる素材が混ざったテリーヌを、どうやってこんなに綺麗に切断することが出来るのか不思議だ。
アルフォンス・メロのサンセールとの相性も良い。
西麻布の一軒家フレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。















