日本橋のイタリアン、『代官山ASO チェレステ日本橋』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
白ワインは、ボルドー、グラーヴのシャトー・ブロンデル・ブラン、2012年。
柑橘系や青リンゴの爽やかな香り、そして仄かな樽香。
ミネラル感のある爽やかなボディ、そのあとに感じる果実味と熟成感。
ぶどうは、セミヨン70%、ソーヴィニヨン・ブラン30%で、樽熟期間は12ヶ月。。
前菜は、マスクメロンと胡瓜のガスパチョ、海の幸を浮かべて、山葵のアクセント。
ガスパチョの中に浮かんでいるのは、プティ・トマト、ホタテ。
そしてたっぷりの甘海老。
エディブルフラワーの紫がアクセントになっている。
山葵を練り込んだ自家製リコッタチーズを溶かし込むと、また新たな味わいが広がる。
熱々のパンが届く。
そして大きなボウルからホイップバターが一掬い、バター皿に置かれる。
プリモ・ピアットは、桜海老の濃厚トマトソース、自家製タリオリーニに絡めて、ピマンデスペレットのアクセント。
桜海老の香りが素晴らしい。
トマトソースは濃厚で、自家製タリオリーニにもトマトのペーストが練り込まれている。
桜海老は、生をカリカリに炒って使っているとのこと。
ピマンデスペレットとは、ピマン・デ・エスペレット、つまりバスク地方のエスペレット村で栽培されるピーマンのこと。
どんなピーマンかと思ったが、このパウダーがピマンデスペレットだった。
メイン料理の前に、新しいパンが二種類届く。
美味しいが、これだけでお腹がいっぱいになってしまいそう。
赤ワインは、スッド・ウエスト、マディランの皇帝、アラン・ブリュモンが造る、アルジル・ルージュ、2005年。
アラン・ブリュモンはマディランの地ぶどう、タナの秀逸性を世界に知らしめた立役者。
完熟したプラムやカシス、スミレや黒い土のニュアンス。
強い熟成感と果実味を持ち、タンニンも強い。
アルジルはタナにカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランがブレンドされているので、タナ100%に較べればマイルド。
実は彼女はタナ100%は強すぎて苦手なのだ。
プリモ・ピアットがとても強い味なので、白ワインだけでなく赤ワインでも味わってくださいとのこと。
白赤両方を飲み較べながら食事をするのも楽しい。
セコンド・ピアットは、イベリコ豚肩ロースとベーコンのソテー、こぶみかん香るソース。
ソースは、フォン・ド・ヴォーにこぶみかんの葉で香り付けされている。
こぶみかんはタイ、マレーシア原産の柑橘類で、その葉はバイマックルーと呼ばれるハーブとして東南アジア料理で使われている。
イベリコ豚肩ロースのソテーが二枚。
その間には、イベリコ豚のベーコン。
三枚とも肉厚なので食べ応えがある。
ひよこ豆等、三種の豆にはクミンの香り。
バイマックルー、クミンと、東南アジア・インドの香りの素敵な料理だ。
ドルチェは、八女伝統本玉露のパンナコッタ、ココナッツのアイスを振りかけて、ホワイトチョコレートソース。
最近、抹茶を使ったスイーツが増えている気がする。
ルチルんさんによると、パリでも抹茶カフェが人気のようだ。
粒々のココナッツアイスクリームも美味い。
菊池料理長のドルチェは意匠性に富み美しい。
「菊池さんの料理は美味しいわ。大好きよ」と彼女。
「創意工夫が素晴らしいね。何時も意外性があって楽しいよ」と私。
天見支配人と菊池料理長に今夜の礼を述べ、店をあとにする。
お腹がいっぱいなので、少し歩くことにする。
日本橋の麒麟像にもご挨拶。
永代通りから外堀通りに曲り、東京駅に向かう。
丸の内側に続き、八重洲側の再開発も進んでいる。
それでも外堀通りを渡った側には昔ながらの飲み屋街があり、庶民には嬉しい街だ。
彼女と過ごす日本橋の夜は、楽しく更けていきました。