西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』で彼女と過ごすクリスマス・ディナーの続き。
クリスマス・ツリーが二人の夜を素敵に演出してくれる。
シャンパーニュ、グラン・サンドレを飲み干すと、抜栓しておいたブルゴーニュの赤をテイスティング。
ルイ・マックス、ニュイ・サン・ジョルジュ、プルミエ・クリュ、レ・プリュリエ、1996年。
コルクの長さと質は充分。
香りも良い。
96年はブルゴーニュの赤にとって、とても良いヴィンテージ。
熟成が進み深い味わいを持っているが、今がピークの感じ。
個人的には、96年より99年や02年の方が好きだ。
高知県宿毛港直送の真鯛、柔らかく煮込んだ冬野菜、コンソメ仕立て、ウイキョウの香り。
鯛はとても肉厚で、旨味が詰まっている。
内木場料理長に聞いたところ、6kgもある大物だったとのこと。
グリーンアスパラガスに見えるのはハナッコリーで、ブロッコリーと菜の花を掛け合わせた野菜なのだそうだ。
蝦夷鹿ロースのムニエル、洋梨のキャラメリゼ、ソースグランヴヌール。
この冬、蝦夷鹿を食べるのは何度目だろうか。
今年は鹿も鴨も鳩も、ジビエを本当に良く食べている。
蝦夷鹿に添えられた牛蒡が良く合って美味い。
ニュイ・サン・ジョルジュがまだ残っているので、フロマージュ・ワゴンを出してもらう。
彼女が銘柄と熟成具合を尋ねるのを聞いていると、どれも食べたくなってしまう。
選んだフロマージュは、モンドール、テット・ド・モワンヌ、コンテ、シェーブル、エポワース、フルムダンベール。
デセールは、ショコラグラッセ、フレッシュミントのアイスクリーム、旬の柑橘のコンポート。
旬の柑橘は、有田蜜柑。
熱い溶けたチョコレートを、チョコレートケーキに掛けて食べると、最高に美味。
「今夜の料理もワインも素晴らしかったわ。今年もいろんな素敵なお店に連れて行ってくれて、ありがとう」と彼女。
「今年は君の誕生日もクリスマスも一緒に過ごすことが出来て嬉しかったよ。来年も素敵なお店にいっぱい行こうね」と私。
今夜のワインは美味しかった。
やはりシャンパーニュとブルゴーニュの組み合わせは最高だ。
今夜の生花は、紫の百合。
白百合が”純潔”を表しているのなら、紫の百合は成熟した知的な女性の美しさを表現しているのかもしれない。
丁度今夜の彼女のような女性を。
紫(ピンク)の百合の花言葉は日本では”虚栄心”だが、英語では”wealth & prosperity”。
西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』で彼女と過ごすクリスマスの夜は、素敵に更けていきました。