代官山の『メゾン ポール・ボキューズ』で開催されたパーティに彼女と共に出席した楽しい夜の続き。
魚料理は、イトヨリのポワレ、ジャガイモのクリスティヤン、ウロコ仕立て。
このウロコ仕立ては、リヨンで1965年からミシュラン三ツ星を維持し続ける『ポール・ボキューズ』本店の名物料理。
薄く丸く切ったジャガイモを魚に貼り付けて、パリッと焼いて作られている。
飲んでいるワインは、ルーション地区で人気のドメーヌ・ゴビーが造る、コート・カタラン、ヴィエイユ・ヴィーニュ、2007年。
続いて赤ワイン。
南西地方、マディランのドメーヌ・アラン・ブリュモンが造る、シャトー・モンテュス、キュヴェ・プレステージ、2000年。
アラン・ブリュモンは、タナ種のぶどうから造られる赤ワインを素晴らしく発展させた伝説的造り手。
彼のワインは、フランスのミシュラン三ッ星レストランのほとんどでリストオンされている。
素晴らしい果実味と熟成感。
発酵も熟成もオークの樽を用い、熟成は100%新樽で、シュールリーで14~16ヶ月。
でも、彼女はタナはあまり好みではない。
肉料理は、アンガス牛のロースト、ソース・ボルドレーズ、いろいろな茸と野菜のエチュベ、ベーコン風味。
アンガス牛の焼き加減が抜群に良い。
脂身の無い柔らかなアンガス牛は、二人の大好物。
ソムリエの小西さんに、「実は彼女はタナが苦手なのです」と、そっと告げた。
すると、「これは如何ですか?」と別の赤を持ってきてくれた。
シャトー・オー・バレ、2007年。
ボルドー、ドルドーニュ川の右岸、フロンサックのワインで、メルロー100%。
「ありがとう」と微笑む彼女が可愛い。
肉料理のソースを掬うのにパンは必須。
エシレバターが美味しく、パンをどんどん食べてしまう。
ディジェスティフは、ポルト。
ロゼスの10年物。
ロゼスは1855年にボルドーのワイン商でポルトガル系のオステンド・ロゼスによって設立された。
そのためか、フランスで人気のポルトである。
何時もはロゼスでも数年熟成のトゥニーを飲んでいるが、さすがこのポルトは熟成が進み素晴らしい味わいを出している。
あまりに美味しいので、お代わりをしてたっぷりと飲んでしまう。
デセールは、マロンのムース、コーヒー風味のアイスクリーム添え。
フレンチのフルコースを締めくくるデセールは、本当に美味しい。
「今夜も美味しかったね」と彼女。
「君が満足した時は顔が輝いていて綺麗だから、すぐわかるよ」と私。
「それって、私が酔っているってこと?それとも貴方が酔っているってことなの?」と彼女。
「きっと、両方だと思う」
ミニャルディーズも食べてしまい、お腹はいっぱい。
料理にもワインにも満足し、店をあとにする。
彼女と過ごす、代官山の『メゾン ポール・ボキューズ』での美味しく素敵な夜でした。