三杯目もアイラ・モルトを選ぶ。
ポート・エレンの7thリリース。
このボトルは1979年に蒸留され、2007年にボトリングされた5,276本中の2,200本目。
アルコール度数は53.8%と、先に飲んだ5thよりもちょっと低め。
この7thリリースは人気が高い。
毎年リリースされるカスクの中でも、バランスがとても良いのだ。
アイラ・モルトはヨード香が強くそれが好きなのだが、蒸留後37年も経てば熟成感が前面に出て荒々しさが取れてくる。
とても洗練されたボディになっているのだ。
それでもアルコール度数は50%を超えるので、強いモルトであることに変わりはない。
7thはやはり最高に美味い。
まさに至福の時間。
彼のシェーカーを振る姿は美しく、資生堂の『ファロ』でバーテンダーを務めていた時には、女性達がカウンターに陣取って彼の仕事を眺めていたものだ。
奥に見える女性は、古田土さんと同じく資生堂出身のバーテンダー、池上雅子さん。
池上さんのカクテルがコンテストで最高賞に輝いた実力者である。
彼女の前に置かれたカクテルは、桜。
ほんのりピンク色をした、美しいカクテル。
ウォッカをベースに桜のリキュールが使われている。
ちょっと酔いが回った彼女の頬のようだ。
オンザロックスで供されているので、ゆっくり味わうことができる。
そろそろ『バー・シェイク』を後にして、汐留に向かうことにしよう。
『ロイヤルパークホテル・ザ・汐留』には私が夕方にチェックインしておいた。
その上で、羽田に彼女を迎えに行ったのだ。
これはチェックインした時に撮影したもの。
汐留には高層ビルが林立する。
正面がシティ・センター。
ANAが入っているビルで、最上階の42階には大好きなレストラン、『ジ・オレゴン・バー&グリル』がある。
テレビ局は情報発信の基地でもあり、汐留の日テレ、お台場のフジ、赤坂のTBS、六本木のテレ朝と、どこも人が集まる場所にある。
ここでもビル前の広場で子供たちを集めて天気予報の生放送が行われているのを、テレビでよく見る。
三菱地所傘下のホテルだ。
このビルの下半分は資生堂で、24階から最上階、38階までがホテルとなっている。
この写真は地下二階の地下道から撮ったもの。
新橋駅(JR、都営地下鉄、メトロ、ゆりかもめ)から直接繋がっているので、地下二階入り口を何時も利用している。
車で来るときは、一階の正面入り口を利用することになる。
地下からは歩いてくる人しか来ないので、エントランスも小振り。
普段はここから入るが、雨が降っているときは資生堂側の入り口から入れば、中でホテルに繋がっている。
海外からの来客が多く、館内には和の飾り付けが見られる。
汐留のホテルはどこも高層にあるが、ビルが林立しているので眺めは決して良くない。
特にここの西側の部屋は日テレのビルしか見えない。
ということは日テレからも見える訳で、何時もカーテンを閉めておかなければならない。
そこで、ここに宿泊する時は東側の部屋を取るようにしている。
部屋は決して広くないが、これでも銀座辺りのホテルに較べればかなり広め。
『ロイヤルパークホテル』は、水天宮がオリジナル。
東京シティエアターミナルに直結しており、羽田、成田行きのリムジンバスに乗るのに便利だ。
でも両空港へのアクセス時間はここの方が短い。
ホテルから3分で行くことが出来る都営浅草線に乗れば、羽田も成田も乗り換えなしで行くことが出来る。
特に羽田には、30数分で到着するのだ。
汐留のホテルのロゴは、”THE”。
コンプリメンタリーのミネラルウオーターにも、このロゴが入っている。
右側が東京汐留ビルで、上層階はヒルトン・グループの高級ブランド、コンラッド・ホテル。
左側はカレッタ汐留で、電通が入っている。
46階、47階はレストラン・フロアーで、眺めの良い人気レストランが幾つもある。
ビルの間に見えているのは、浜離宮。
江戸時代は将軍家のお狩場だった。
ここから水上バスに乗れば、墨田川を遡って浅草の吾妻橋に行くことが出来る。
このホテルの部屋からは薄い面しか見えないので、視界を遮る範囲も少ない。
でも並びのシティ・センターは広い平面側に面しているので、まるで壁のように見える。
私は高層階の部屋が好きだ。
少々価格が高くなっても、できるだけ高層の眺めの良い部屋を予約するようにしている。
『トロ・ガストロバー・トーキョー』で食事をし、『バー・シェイク』でナイトキャップを飲んで部屋に戻ると、窓の外の景色も変わっている。
浜離宮は暗闇に沈み、墨田川の向こう側、豊洲の高層マンション群にもほとんど明かりは灯っていない。
彼女は、「今夜も美味しかったけど、ちょっと食べ過ぎ飲み過ぎね」と言ってバス・ルームに消えた。
窓際の椅子に座り、深夜の東京の景色を眺めながら今夜を振り返る。
忙しかったけど、とても楽しい銀座と汐留の夜でした。