今夜は彼女と早い時間に東大前駅で待ち合わせ、向ヶ丘の東大農学部の近く、文京学院大学横の『NZ BAR』に向かう。
店は気を付けていないと、前を通り過ぎてしまうほど目立たない。
本郷通り沿いには、ここが『NZ BAR』であることを示す小さな黒板が置かれているだけ。
六つの飛び石を奥に進むと、店のドアに至る。
ニュージーランド・ワイン専門の販売店に、イートインが併設されているのだ。
基本はワイン・ショップなので、7人も入れば飲食スペースはいっぱいになる。
内部は18度程度に保たれているので、保管されているワインには申し訳ないが、暑いこの時期には、まずセラーに飛び込んでワインを探すことにしている。
それから表の飲食スペースに移り、ゆっくりワインを楽しむのだ。
グラス・ワインもあるが、今日は暑いので冷えた白を1本飲むことにしたのだ。
選んだワインは、好きな造り手の好きなぶどう。
ドッグ・ポイント・ヴィンヤードが造る、ソーヴィニヨン・ブラン、2014年。
ドッグ・ポイントは、ニュージーランド・ワインの品質の高さを世界に知らしめたクラウディ・ベイのぶどう栽培のチーフとワイン・メーカーが独立して設立したワイナリーなのだ。
クラウディ・ベイのぶどう栽培の責任者であり、また優良な畑をクラウディ・ベイに貸し出していたアイヴィン・サザーランドと、ワイン・メーカーだったジェームス・ハーリーがドッグ・ポイントを設立したのは2002年。
クラウディ・ベイが大手のディアジオに買収されたのを嫌っての決断だった。
私も以前はクラウディ・ベイを良く飲んでいたが、今ではドッグ・ポイントに切り替えている。
このソーヴィニヨン・ブランも、もちろんマルボロのドッグ・ポイントの自社畑のぶどうが使われている。
色合いは淡いモスグリーン。
グレープフルーツの香りを持つが、甘い果実香は控え目。
柑橘系のすっきりとした甘さと、酸、ミネラルのバランスが良い。
店の壁には、ここを訪れたワイン・メーカー達のサインがひしめき合っている。
その一角には、グレイワッキのケヴィン・ジュッドとキンバリー夫妻のサインが書かれている。
そして矢印の先には、ドッグ・ポイントのサインがある。
実はケヴィン・ジュッドは、クラウディ・ベイの創業から約25年間、醸造責任者として活躍し、2009年に独立してグレイワッキを創業した人物なのだ。
そして私と彼女は、ジュッド夫妻と夕食を共にしたことがある。
彼女と過ごす、『NZ BZR』での楽しい夜の続きは、また明日。



