白金台のイタリアン、『グラッポロ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
赤は好みを伝え、店に勧めてもらったのはこの三本。
いずれもワイン・メニューには掲載されていないワインである。
真ん中がカンパーニャ州のアジィエンダ・アグリコーラ・サン・サルヴァトーレが造るウンガノ・ペスチュム・アリアニコ、2012年。
右側がシチリア州のファウディ・デル・ピシオット、2011年。
この中から私達が選んだのは、左側のワイン。
トスカーナ州でファットリア・マンティラッシが造る、マレンマ・トスカーナ、アリカンテ、クエルチョライア、2008年。
ぶどうはアリカンテ100%。
アリカンテとは、フランスで言うグルナッシュのこと。
スペインではガルナッチャと呼び、サルデーニャではカンノナウと名前が変わる。
香りにも完熟チェリーを感じ、樽香も気持ち良い。
口に含むと果実味が豊かで、タンニンはこなれている。
2008年なので熟成が進んでいるのだろう。
アルコール度数は14.5%と高めだが、熟成感と果実味が豊かなのでアルコールアタックは感じない。
フランス産オークの樽で6か月間熟成され、ボトリング後も数か月間寝かせた後に出荷されているそうだ。
裏のエチケットには、ワイナリーの場所を示す地図が付いている。
彼女は地図を見て、「マレンマって、ここなんだ。イタリアのカウボーイの故郷なんでしょ」という。
「そうだよ、昔銀座にあった『マレンマ』という店では、深夜になると壁に掛けられたカウボーイ達の写真から幽霊が出てくると評判だったよね」と、私。
「覚えている。あそこではシャトー・オー・ブリオンやカーゼ・バッセのブルネッロ・ディ・モンタルチーノを飲んだわね」
そして、とても状態が良い。
パッパルデッレはトスカーナ地方のパスタで、幅広麺。
語源はパッパーレ(食いしん坊)と言われている。
スカンピ(ラングスティーヌ)は日本では手長海老と呼ばれているが、正確にはヨーロッパ産の赤座海老のこと。
二人とも大好きなので、以前ミラノに旅した時には毎晩スカンピを食べたものだ。
赤味の柔らかな肉には旨味がぎゅっと詰まっていて美味い。
最近は国産牛でも美味い赤味を食べることが出来るようになって嬉しい。
そこでドルチェを頼む。
小振りのチョコレートケーキに、正直ほっとする。
とても濃厚で質感があり、美味い。
『グラッポロ』はますます彼女のお気に入りとなったようだ。
白金台で彼女と過ごす、素敵な夜でした。








