彼女は、新丸ビルについては私よりもずっと詳しい。
そこで、安心して店で待ち合わせることができるのだ。
店に着くと、何と、目の前に彼女の背中が。
そっと近付き、耳元に「綺麗だよ」と囁く。
もっと驚いてもらいたかったのに、ちょっと肩をすくめただけで、「ありがと」と答える。
思わず抱きしめたくなるが、彼女はさっと身をかわすとにこっと笑いながら店に歩を進める。
すぐにはテーブルに向かわず、カウンターでシャンパーニュを楽しむ。
野菜料理を得意とするお店なのだ。
野菜と果物を組み合わせてジュースにしているので、どれも美味しく飲み易い。
今夜の白は、カリフォルニアのニュートン・ヴィンヤーズ、シャルドネ。
先々月、赤坂にあるヴィエイユ・ヴィーニュ・マキシム・ド・パリで、ニュートンのワインメーカー、クリス・ミラード氏とお会いした。
彼の熱いワイン造りの話に感動し、それ以来ニュートンのファンになってしまったのだ。
豊穣な大地の実りを感じる。
リッチでバターの滑らかさと、凝縮された果実味を併せ持つ。
今夜も素敵なワインに感謝。
それに、残り少なくなるとすぐに注ぎ足してくれるのだ。
ひまわりの種も、ワインの最良のお供。
さて、『AWキッチン東京』での楽しい夜の続きは、また明日。