彼女と、紀尾井ホールで開催されたピアノ・コンサートを聴きに行った。
実はこのコンサート、新日鉄が行う文化活動、新日鉄音楽賞の受賞記念コンサートなのだ。
新日鉄コンサートには、この紀尾井ホールが出来るずっと以前、日比谷公会堂で開催されていた頃から度々参加している。
フレッシュ・アーティスト賞は、ピアニストの萩原麻未さん。
そして特別賞は、同じくピアニストの室井摩耶子さん。
フレッシュ・アーティスト賞は、将来を期待される優れたアーティストに贈られる賞。
特別賞は、クラシック音楽をベースにした活動を行っている個人を対象とした賞で、演奏家に限定せず、音楽文化の発展に大きな貢献を果たした人に贈られている。
選考委員の一人、音楽ジャーナリストの富永壮彦から選考理由の説明が行われる。
お話は、とても控えめでちょっとはにかみ屋さん。
ところが、このあとに行われた記念演奏は力強く、難しい曲目を素晴らしい感情を込めて弾き、ホール全体を強い感動で包み込んでしまった。
久し振りに震えを覚える、そんな演奏に感激。
室井摩耶子さんは、91歳で現役の、日本を代表するピアニスト。
そのトークは絶妙で、作曲家の独特の”言語”をどのようにピアノで表現するかをテンポ良く聞かせてくれる。
そして演奏はますます円熟みを増し、聴く者を室井ワールドに惹き込んでしまう。
サバティーニに電話を入れ、席を確保した。
今夜も美しい生花が、二人を迎えてくれる。
早速冷えた白ワインで乾杯。
マルケ州のサンタ・バルバラが造る、レ・ヴァリエ、ヴェルデッキオ・ディ・カステッリ・ディ・イェージ・クラシコ、2010年。
サンタ・バルバラは、1984年に銀行家、ステファノ・アントヌッチが設立したワイナリー。
オーナー兼エノロゴとしての彼の活躍により、評価の高いワイナリーに成長した。
濃いめの黄金色。
爽やかで、酸とミネラルのバランスも良い素敵な白。
レ・ヴェリエという単一畑のぶどうを用いた、高品質のヴェルデッキオである。
頼んだ料理が出てくるまでの、空いたお腹へのご褒美。
海老、烏賊、蛸、白身魚、・・・サラダと言うより海の幸の盛り合わせ。
白ワインに良く合って美味い。
ペンネには強いソースが良く合う。
大きなオマール海老が半身丸々入っている。
素敵なピアノ演奏に素敵な食事とワイン、そして素敵な彼女と過ごす、嬉しい夜でした。