こんばんは。
小谷篤信です。
今回の投稿は、僕が3日前、自分の古い携帯に録音されていた
1つのボイス・メモをたまたま聴いたことから始まります。
日付は2010年5月30日。
およそ2年半前の夜、僕は携帯に、自分宛のメッセージを吹き込んでいました。
そんなことをした記憶、その背景は僕の記憶にはもう残っておらず、
ましてや、まだ自分のパソコンにその音源が残っていたこと自体が奇跡です。
ファイルを見つけた時、「こんな珍しいこともあるもんだなぁ」と思い、再生ボタンに手が動きました。
でもなぜか、一度、再生ボタンを押そうとしたとき、その手は止まった。
なぜ僕はそんなことをしたのだろう?
何を残そうとしていたのだろう?
僕はそんな疑問たちに目隠しされているようだった。どうしてなんだろう?
視界がグルグル円を描き始め、マウスをクリック出来ずに数分が経った。
でも、たとえ何も覚えていなくても。
そのファイル名から、僕が自分に宛てて話していたことが分かった。
「自分へ」
2年半前の自分が残したメッセージ。
僕は再生を押した。
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「(ゴホンッ、と咳込み)小谷、こんにちは。それともおはよう?こんばんは、かな。
俺の名前は小谷篤信。お前の中にいる、どうしようもない、お前だ。
一体どれだけの時間が経ったら、俺は俺が今こうやって自分に向けて話してること、忘れちゃうんだろう。
そう考えるととても不思議に思えるよ。
今日は1つ言っておきたいことがあったから、こうやってメッセージを残してる。
だから、まぁ、最後まで聴いてくれると、ありがたい。
俺は日本が嫌いだ。
ただ嫌いなんじゃない、大嫌いだ。
毎日毎日、同じことをずっと繰り返しなんだ。
朝起きて学校に行って、授業を受けて。
正直、小6の頃の自分に今、教えてやりたいよ。
麻布で勉強したいことを見つけるなんて、不可能だ。
寿朗ちゃんの英語、武神の化学、サンダーの現代文。杉浦さんの論文指導。
それぐらいしか脳裏に焼き付いてない。
他は、全部。教科書通り。
鉄緑(塾のこと)だってそうだ。
毎日毎日、意味の分からない程の宿題があるけれど、それも全部教科書通り。
なぁ。
俺、毎日、何も学べてないよ。
毎週、毎週。決まったスケジュール。
学校、部活、塾、学校、部活、塾。
空が、さ。
空が、低く感じるんだ。
毎日毎日、押しつぶされそうになる。
でも、必死で耐えて、必死で明るい未来を夢見て。
明るい未来なんて待ってても来ないのに。
いずれは、大学生になって、就職して、結婚して、とか色々あるかもしんないけど。
だからって、絶対に心の奥底では、この塵みたいなもの、
毎日毎日自分をすり潰したことの残りカスみたいなのが消えないで、ずっと残るんだ。
そう思うんだよ。
俺は一体誰なんだろう。
何ができるんだろう。
結局のところ、問題は何一つ解決してない。
毎日、携帯電話を見るたびに、俺は自分が犯した過ちに潰されそうになる。
また、あの電話がかかってくるんじゃないかって、怯えてるんだ。
もう俺に生きる価値なんてないのかもしれない。
あの人も俺が死ぬことを望んでいるのかもしれない。
(24秒の間)
なあ、聴いててくれてるか?
あんたに1つ、お願いがあるんだ。
誰か他の人に頼めれば良かったんだけど、生憎そんな人間まわりにはいなくて。
なぁ、小谷篤信。
お願いだよ。
『いつか、僕を救って下さい。』
―録音、途切れる―
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やっぱり、録音した時のことを思い出すことは出来ない。
でもイヤホンから流れてくる声は間違いなく自分の声で。
最後の絞り出すような声。
それが耳にこびり付いて、聴いてしばらく経った今でも残ってる。
16歳の僕は、未来の僕に自分を救ってもらうことを望んでいた。
でもなんでだろう。
なんだか、彼が自分のことだけを指していたようには思えなかった。
考えてみても、毎日、自分が日本にいた時ずっと続けてきた生活を今現在、
何の疑いもなく続けている中学生、高校生が、一体何人いるだろう?
毎日毎日、同じことの繰り返し。
自分が学んでいるんだ、という歓びもなく。
そう思うだけで吐き気が止まらない。
きっと、それは国家にとって必要なことなのかもしれない。
でも。
でも、苦しんでる人も絶対にいるんだ。その中には。
ねぇ、君は今日何を学びましたか?
今日、何を見て、聴いて、感じましたか?
今日、どんな美しいものに出会えましたか?
それは最も残酷でありながら問われるべき問いなのかもしれない。
僕は今日、奇跡みたいな瞬間に出会えた。
熱海にある梅園に、黄色い梅の花が咲いていて。
まだ全部が全部咲いているわけではないのだけれど、彼らは全力でその命を謳ってた。
すると、ふと、その花からお日様が顔を出しているのが目にはいった。
小谷、
咲き誇る花を見て、風に揺れる音に耳を傾けて、甘い香りに包まれながら幸福を感じてもいいんだよ。
君は確かに醜い。
過去に何も学べていなかったかもしれない。
でも。
今日、日本はこんなにも美しい。

だから、もう少し待ってて。
いつか救ってみせるから。
君と、君の友達を。
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