農業問題についての講演を聞いて | 『坂の上の雲』のまち松山 社長日記

農業問題についての講演を聞いて

 昨日、松山全日空ホテルにおいて四国経済連合会懇話会が開催され、その中で全農愛媛県本部の諏訪本部長による「愛媛農業の現状と課題について」という講演がありました。これまで、産業としての農業についてはあまり深く考えたことがありまんでしたので、当事者のお話が聞けるいい機会と思い出席しました。

 講演は、(1)愛媛農業の特徴、(2)JA全農愛媛の組織と使命、(3)愛媛農業の課題と対応、(4)グローバル化の中での今後の方向、以上の4点について述べられました。

 愛媛農業の特徴については、柑橘王国であることや農業産出額が右肩下がりであること、また高齢化率(64.3%)や放棄地率(22%)の高さ、減少する農家戸数(5年間で10%減少)について、厳しい認識が示されました。とりわけ放棄地率の高さについては、いくら急傾斜の樹園が多い土地柄とはいえ、非常に驚きました。

 愛媛農業の課題と対応については、安全安心な農畜産物の供給や消費者へのPR、販売流通の多様化等々について説明があり、最後にTPP反対のお立場から、グローバル化の中でどうやって地域を守っていくのか、地域を支え地域を守るのは農業しかないという思いを熱く語っておられました。

 ただ、講演全般を聞きながら、日本農業の再生にはもう時間的な余裕がないこと、特に今後の人口減少を考えると、TPPよりもむしろ農業の担い手の問題の方がよほど深刻なのではないかと思いました。

 現在、IRCでは松山市の離島振興策について調査のお手伝いをさせてもらっていますが、全国ベースで見ますと、島の人口が10人にも満たないような超限界集落がでてきています。人口が減少したため、地域社会の機能が低下し、住民が一定の生活水準を維持することが困難になった地域を過疎地と称していますが、その面積は国土の57.3%を占めています。

 推計によると、農山漁村が大きな割合を占める四国のような地域では、2035年までに人口の20%以上が減少すると予想されています。こうなってしまってからでは、農業であれ林業であれ手の施しようがなくなるかも知れません。巧遅は拙速に如かずとも言います。今の日本に最も求められているのは、スピードではないでしょうか。