日本一の秘境駅「小幌駅」(こぼろえき、室蘭線)をご存じだろうか。「無人地帯/外界からの道なし/トンネルに挟まれた断崖絶壁/リアルな秘境」という高い評価を受けている。

 

JR北海道の懐事情により、小幌駅は2015年10月に廃止になる筈だったのだが、地元(と鉄道ファン)の強い反対が功を奏したのか、直前に廃止は取り止めとなり、地元豊浦町の支援で存続することとなった。あれから2年が経過したが、本日(9月16日)のNHKニュースによれば豊浦町の調査で小幌駅の乗降客が予想外に増加していることがわかった。

 

以下、本日のNHKニュースからの引用である。

鉄道以外の方法でたどり着くのが難しい「秘境駅」として知られるJR室蘭線の小幌駅の利用者数を地元の豊浦町が調べたところ8月の2週間に合わせて138人が利用し、期間中、毎日利用があったことがわかりました。・・・・・町では乗降者数を把握しようと駅にカメラをとりつけて調査を進めたところ、8月18日から31日までの2週間に138人が駅を利用、最も多い日は22人が利用し、期間中、毎日利用があったことがわかりました。豊浦町地方創生推進室の佐藤一貴さんは「初めて利用者のデータを集めることができた。秘境駅の雰囲気を壊さずに観光を楽しんでもらえる方法を考え今後、駅を核にした町の観光振興につなげたい」と話していて、調査を秋の観光シーズンにも行うことにしています。


非常に喜ばしいことである。私は秘湯に行くため秘境の駅をよく利用するので、秘境駅には人並み以上に関心がある。ブロンプトン乗りの皆さんにも是非秘境駅に出かけてその独特の雰囲気を堪能して欲しいと思うので、私がこれまでブロンプトンと共に行ったことのある秘境駅ベスト5を挙げてみることにする。いずれも無人駅である。


まず第五位から。釧網線(くんもうせん)の北浜駅だ。

 


 

行ったのは夏、知床へ行く途中であったが、冬にはオホーツク海に面したこの駅はさぞやわびしいことであろう。しかしながら、大ヒットした中国映画のロケ地 となったので中国人に大人気である。駅の待合室はピン止めされた中国語の紙で壁が見えないほどである。たまに大型観光バスがやって来て駅前がまるで上海の雑踏のようになることがあるという。

 

第四位。野岩鉄道 (やがんてつどう)男鹿高原駅。駅の周りには道路さえない。どうしたんだこの駅は。年間乗降客数が289人(2013年実績)、したがって一日平均乗車人員は一人未満ということになる。秘境駅としてなかなか立派な数字ではないでしょうか。

 

第三位。大糸線中土駅 (なかつちえき)。冬に行くとここも侘しい。ただし駅前には人家があり、また小谷温泉への入り口でもあるのでバス停まである。決して役に立っていないわけではない。がんばれ。

 

おまたせー・・・という感じで気動車が入線してくるのが「萌え」だ。

 

第二位。奥羽線赤岩駅

 

 

スイッチバック の用途で作られた元信号所の駅である。周囲にまったく家が見当たらない。かつて付近に集落があったらしいが冬は林道がすべて通行止めになりアクセス不能なため今は5キロ圏内に誰も住んでいないという。何のための駅なのか。多分鉄道ファン・秘境ファンのための駅なのだろう。2012年以降、冬季は停車しなくなった。かつて不用意に下車した方が脱出できずに凍死したことで不停車の対応をとることとなったらしい。そしてついに2017年には通年通過駅となった。但し駅として廃止された訳ではない。

 

そして私的にナンバー1の秘境駅は、奥羽線の峠駅である。

 

 

駅だが峠なのである。もちろん無人駅なので秘境駅としての条件を満たしている。

 

しかし「峠の茶屋」が営業を続けていて、停車にあわせて伝統の力餅を販売している。無人駅ではあるがこの店が駅を守ってくれているようなものなのだ。

 

かつてスイッチバック施設があった痕跡でもある巨大な天蓋である。

 

駅舎の風格も申し分ない。秘湯中の秘湯、姥湯温泉 への日帰りに欠かすことのできない重要な駅である。

 

あなたも秘境駅、行ってみませんか。


 

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