ボクが
「死」というものを
理解したのは
5歳の時だった
父の通夜で
『パパはどうしちゃっの?』って
ボクは誰かに聞いたんだ
そしたら
『パパはお月様に行ったんだよ』と
その人は言った
やっぱりわからなかったから
今度は違う誰かに聞いたんだ
そしたら
今度は
『パパはお星様になったんだよ』
と言ったんだ
…そこで…
気づいたんだ
お月様もお星様も
ウソなんだなぁって
ただ、
ボクの手の届くことのない
もう
二度と会えることもない
『どこか』に『いなくなって』、『消えて』しまったんだ
それだけ
わかったんだ
何で『死ぬ』ことが
悲しいのか
みんなが
泣いているのか
それも
わかったんだ
大好きだったパパは
もう
この世界のどこを探しても
二度と会えない
ボクは
そのとき
悲しくなかった
それよりも
ただ
すごく
怖かった
今まで
確かにいた人の
「存在」がなくなってしまったこと
言葉をつかって
それを誰かに伝えることさえできないくらい
幼かったボクは
その存在が消えて
どこを探してももういない
それだけが
ただ
怖くて
泣いたんだ