しかも全盛期の80年代の角川映画を。
決してヒットはしていない作品ですけれどね。
あの頃、原作の西村寿行が話題になっていた記憶はあるけれど、関連作品やテレビドラマを当時は観た覚えがあまりなかったので、この際に観てみようと思ってさ。
そしたら、丸山昇一脚本、長谷部安春監督作品じゃないの。
案の定、製作に黒沢満のクレジットも。
もちろん、角川春樹がプロデュースして端役で出演もしている純然たる角川映画なんですけどね。
しかしてその実体は、その皮をかぶった東映セントラルアーツ作品なわけですよ。
郷鍈治や宍戸錠などの渋いキャストから監督由来の日活アクション映画の風合いも感じるしね。
西部警察的な時代感満載のカーチェイスや、ヘリや雪上車も動員しての銃撃戦など、かなり大掛かりではあるのですが、如何せん弾着や爆破シーンが今となっては少しヌルい。
登場人物も簡単に次から次へ射殺されるしね。
どんだけ拳銃射撃の名手ばかりなのかと。
それにしたって、80年代ってまだ終戦時に隠匿された旧軍の金塊の争奪戦が作品のテーマになり得たのね?との感慨しきり。
制作陣がハードアクション映画を目指そうとした気概は確かに伝わってきましたが、長谷部さんってやっぱり横浜あたりを舞台にした都会的なシャープで軽妙なタッチの演出の方がオレは上手いと思うの。
北海道の雪山での攻防を描くには、監督の力量や作風以前に、残念ながら予算も人も足りていない気がしました。
このスケール感の問題は今も続く邦画作品の宿命的な課題ですけどね。
ただ、当時も今も何の想い入れも持っていなかった浅野温子がとにかくめちゃくちゃ可愛い。
オレが年食って、ストライクゾーンが広くなりすぎているからかもしれないけれどさ。
個人的にはこれだけでも儲けものだわ。
何にせよ、日本でハードボイルドを貫くのは、今も昔も難しい。
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