「サンダ対ガイラ」と甲乙つけがたい、個人的には最も血の滾る空想科学映画。
ボックスアートの巨匠でもある小松崎茂デザインの轟天号のフォルムがね、昭和男子のハートに刺さりまくり。
もうね。
遺伝子レベルで刷り込まれているのか、ドリルとパラボラアンテナには否応なく身体が反応してしまう。
一応、原作(実際は原案レベルですが…)は、明治時代の日本SFの先駆け押川春浪の小説。
その原作は、欧州で建造後に日本への回航中に行方不明となった戦艦畝傍が実は…。という、実際の事件にヒントを得たストーリーですが、本作はそれを大胆にも第二次大戦終戦前夜に出奔した潜水空母の伊号403潜の乗組員たちが…。と置き換えたストーリー。
敵は、一万年以上前に太平洋に沈んだムー大陸にあったという謎のムウ帝国。
海底深い地下に地熱と人工太陽を持つ科学文明として今も存続している設定。
女帝様が統治し、古代のエジプト、インカやマヤの文化が混淆したような南洋風味のレトロな超文明。
当時まだ30代だという天本英世の神官の存在も捨て難いけれど、何はなくともオレは幼心に女帝さまの毅然とした佇まいと容姿にひたすら恋をしていた気がします。
水野久美のX星人と双璧となる、我がヰタ・セクスアリスかな。
特撮的にも、このオレの誕生年前後がある意味で日本の昭和アナログ特撮のピークだったかもしれないと思っています。
三原山からドローン兵器が現れ、避難しようと市民が乗り組もうとするフェリーを攻撃するショットの光学合成と、地震兵器を用いたらしい東京オリンピック前夜の丸の内一帯の一斉陥没崩壊が、とにかくスゴい!
どうやって撮ったの? 手作業だとしたらバカなの? と呆れる他ない、とんでもないスケール感。
あと群衆モブシーンも、当時まだ戦後20年未満という時代感もあるのか、避難シーンのエキストラの真剣さとリアリティがハンパない。
ムウの超科学もスゴいけど、戦時中の日本の科学技術も負けていないよと。
伊福部マーチをバックに轟天号が発進するシーンで滾らないヤツを、オレは男として信用しないことにしています。
空を飛んで海中を潜航するだけでなく地中にも潜り込めるんだぜ。
サンダーバードのメカ、ジェットモグラの前にコレだもんなあ。
日本のイマジネーションは、昔から常に世界中の科学少年の願望の一歩先を行っています。
4Kリマスターされた円盤、欲しいなあ。
https://eiga.com/movie/35519/
