ギリシャのお菓子を肴に…


昨夜は、過去に観た記憶がなくはないけれど、どうも今イチハッキリしない80年代の角川ミステリー映画を再確認。


ウギャギャ…。


ヤバい映画観ちゃった。


頭からお尻まで陰鬱極まりない。登場人物に、善人が一人もいない。


なんとなく「八つ墓村」的な地域の過去の陰惨な記録や記憶に絡めた現代の殺人という、ホラーテイストを前面に出した公開当時のマーケティング戦略だったらしいことは時代的にも想像に難くはないのだけれど、映画としては、実はあまりホラー感もミステリー感も感じられない。


結果として犯人自体こそ意外だけれど、密室トリックも含めて、動機とそこまで手間暇かける労力や目的意識がうまくリンクしません。犯罪の謎解きにさほど重点が置かれていない印象。


そこで個人的に感じたのは、オレ的にはコレはミステリー映画じゃないってこと。


この作品は、永島敏行、永島暎子というダブル永島を軸にして不幸がドロドロに連鎖する、あくまで因習と情欲に囚われた血脈を描いた愛憎劇だと。


その視点から見ると、荒井晴彦脚本としては極めて濃密でエモーショナル。


ある意味、石井隆とたなか亜希夫の漫画「人が人を愛することのどうしようもなさ」的な、やり切れない遣る瀬なさが全開。


もしかしたら、人によっては神代辰巳的と評した方が伝わりやすいかもしれません。


「竜二」の翌年の公開ということもあり、永島暎子の陰性植物のような情の濃さと幸せを引き寄せる力が反比例するかの如き生き様が切なくてたまらない。


終盤、主人公と再会してからのやり取りで不覚にも落涙しそうになりました。


そして真犯人のケジメの付け方も、ある意味若さゆえの純愛に思えてきます。


オレ、荒井晴彦シナリオが好きなのかもしれない。


人の愚かさと、それを自覚しつつも愚かなことをなぞるように繰り返してしまう情念の強さから逃れられない罪深さ。


人間形成は環境より遺伝が優勢。


運命とは、ある意味で遺伝の呪いなのかもしれませんね。


決して観た後に前向きでポジティブな気持ちになれる映画ではないので、そこだけは予めご了承くださる方だけ、よかったらご賞味あれ。オレは好き!


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