スチームパンクでレトロフューチャーな全体的な世界観は嫌いじゃありません。
ただね。
世の中のクリエイターは、2種類に分かれるのですよ。
映像でイメージや世界観を伝えたい気持ちが強い人と、キャラを立ててそれを動かし物語を紡ぎたい人。
たまに、その両方ができる人(これも二刀流って言うの?)がいて、一般にその人は天才とか呼ばれたりするけれど、大概の場合は前述の2種類のどちらかの才能へ多少の比重の偏りが見られます。
それはアニメに限らず実写の分野でもね。
そこで本作の監督さんは、脚本も兼ねられていますが、オレが感じたのは、ビジュアルイメージ優先で世界観を構築したいタイプの、圧倒的な前者だなってこと。
本作のような自主製作寄りの作品にあまり強いことは言いたくないのですが、劇中でのセリフなど、とにかく本作では言葉の存在感が薄くて弱いから、そこに物語を感じにくくて観ててもストーリーへ一向に入り込めない。
キャラも魅力的だし、カット割りや構図、映像表現もかなりいいのに、全体的にはすごく惜しい感じ。伝えたい想いを言語化するのが苦手なのかな?
極論すれば、伝えたい映像イメージや世界観はあっても、物語が希薄。
日本の実写映画で言うと、林海象監督が同じタイプだと思います。
たとえ自分が認めていて好きなクリエイターでも、この映画を見てよとオススメする時に、その相手を選ばざるを得なくなる範疇に属するクリエイター。
ちなみに個人的に映像とストーリーテリングの双方でオレが天才と思うのは、黒澤明、大友克洋、宮崎駿だったりします。
とか何とか、本作には不満を連ねてきましたけれど、それを感じると同時に脚本面でのサポートさえあれば大化けの予感もするのよね。
できれば、こんなトーシロの片麻痺ヤローの不平不満なんぞ気にせず、このまま今後もやりたいことをやりたいようにやり続けていただきたいものです。
たぶん次の作品も喜んで観させていただきますので。
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