こればっかりはオレも人の子、多少なりとも許していただければと思います。
もしかしたら、本作がそうかもしれません。
もちろん、部分的に面白いところがまるでなかったわけではありません。
ただ、総じてオレが感じたのは、題材は面白そうなのに、作品が時代劇とエンタメのどちらにも振り切れていなくて、立ち位置がどっちつかずで惜しい…ってところでしょうか?
オレが思うに、たぶん監督さんはマジメなタイプすぎて、ある意味でのジャンル映画バカになり切れなかったんじゃないのかな?
チャンバラアクションの殺陣に、外連味と見栄の要素が圧倒的に少ないのですよ。役者が身体を張ってやってることはちゃんと頑張っていても、画の座りが悪くて、とにかくカタルシスに乏しい。
だから、残念というよりも、惜しいのです。
あと音響のバランスがあまりよろしくなくて、劇伴や環境音とセリフの分離が曖昧で言葉として聞き取れなくて、ストーリーになかなか入り込めない。本来は日本でピカイチの滑舌を誇るはずの堤真一のセリフですらね。
ここはアマプラさんも、ネトフリさんを見習って国内配信と同時に邦画や国内ドラマ作品にも日本語字幕を付けた方がいいと思うなあ。
ヘッドフォン視聴や劇場なみの爆音が出せる視聴環境って多くの家庭にはなかなかないし、加齢問わず難聴の方のことも考えたらね?
あと気になったのは、作り手はそもそもが政治劇的な要素を入れ込んだ文芸時代劇にしたいのか、はてさてアクションエンタメを目指したのか? ってこと。
もしかしたら、原作が小説だからこそ、文字の行間から想起されるイメージに余白がありすぎて、撮りたい画をコンテなどでカッチリと具体的に画面構成として組み切れなかったのかもと思いました。
北村一輝の役者としての使い方も、個人的にはとてももったいないと思います。
アクション映画って、常にお約束を見せつつもそれと同時にその約束を破壊して見せる、定石と裏切りのバランスを取りながら、作品の整合性以上に、ある程度その場の勢いとエネルギーのまま、時として見ている方も巻き込みつつ前のめりに転げ回りながら作られていくジャンルなんじゃないのかなとオレは思っています。
そういう意味からも、この作品のグルーブにオレはノリ切れなくて残念でした。
もしよかったら、この作品を心底楽しく観られた人がおられたら、その魅力をオレに、その熱い言葉で具体的に教えて下さい。オレの知らない角度や、気づかない視点からのその映画の楽しみ方をぜひ知りたいと思います。
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