お赤飯って、この歳になると贅沢よね…。


オレは発症前はほぼ毎日、当時の住まいにほど近い新宿3丁目を主な舞台として飲んでいました。創業70年を越える古い店のカウンターが平日の定番のスタートラインであり、ベースキャンプ。そこから始めてもう一軒寄って帰るというパターンが多かったです。


土日やお休みの日はまたスタート地点と巡回パターンが変わるのですが、それはまたの機会で書きます。


今日は、その平日の夜の起点とベースキャンプである老舗の飲み屋で出会った人たちについて少し書きます。


そこは、今さらオレなんぞのパンピーの中途障害者が敢えて語ることすら憚られるほどの超古いお店ですから、教科書に載るような過去の歴史上の著名人から、各分野でいま現在活躍中の方々までがごく自然と日常的に多く来られています。しかも創業者は同県人。


そんな店の1階カウンターにオレは30年近く通っていました。


常連なんて言葉は決して自称していい類いの言葉ではないのでしませんが、古い歌の「一週間に十日来い」をオレが地でいっていた(時として出戻りする場合もあったから一晩2回以上の来店計算になるため)のは紛うことなく事実です。


そして、オレが自分の人生の中で己に誇れる数少ないことの一つが、どこでどんな著名人と同席したり知り合う機会があろうとも、一度たりとて自分からサインや写真を求めたりしたことがないこと。おそらくこれは死ぬまで変わらず通すつもりです。


そんな卑しいことをしたりさせられたりするぐらいなら即座に自ら首を括りたいと思うほどに、他の人にはどうであれ、少なくともそれはオレの中では極めて禁忌な行為です。それはお店のためにも決してならないからさ。その店のいわゆる客筋ってのは、店側の姿勢と意識だけで作られるものでもないからね。


基本的に、人がお店に飲みに来ることは極めてプライベートな行為だから、たとえそれが公人の立場にある人であっても他人がそこへ安易に干渉しちゃダメだとオレは思うのよ。そんな田舎者丸出しみたいなことを、やるのも、平気でやってるのを見るだけでもマジでヒクわ。生理的にも一切受けつけない。


たとえ明確なルールで禁止されていなくても、自分がされたら嫌なことや、率先してその場の空気を乱すことを自ら決して他人にしないのが日本人の美徳。


オレにとっては、了承も得ずにソーシャルディスタンスを超えて有名人に近づかないことは、街で無闇にゴミをポイ捨てしないのと同じレベルの規範です。


逆に、発展途上のまだ顔も名前も売れていない若いクリエイターには、オレの方から積極的に声をかけていたかもしれません。


単純にリアルタイムの創作現場にいる表現者が抱く思いをその肉声で何より聞きたかったし、現場まっただ中の空気感を知りたかったから。オレは若い人とどんな分野であれモノ作りの話をするのが何より好き。


そんな多くの若者の中に◯◯という若い音楽家がいました。容姿はシュッとしてて、適度に繊細な孤高感と人懐っこさを併せ持つスマートな彼は、オレの当時の知り合いの中では、今や最筆頭と言える出世株。


彼は、主にドラマや映画の劇伴と言われる音楽を作る作曲家なんですが、ここ最近、全国公開されるメジャー系劇場映画とか、キー局のドラマ枠とか立て続けに大きな仕事をこなしています。


個人的には、彼はそのうちこの分野での大野雄二さんに近いレベルまでいきそうな気がしています。


この手のオレの見立てって、そんなに外れないんだよね。でもそうなったらそれはそれで、あんまり前みたいに気安くは話しかけられなくなるな。


まだ今のところは、また新宿で会って一緒に飲みたいですね…と、メッセージでは言ってもらえているけれどさ。


そういうわけで今日の末尾リンクは、彼が音楽を担当している地上波ドラマです。


よかったら観てあげてください。


オレも毎回放映時に観ています。


ところがオレ、恋愛モノが苦手だと広言しているのと同時に、メガネ女子に弱いとも言っているわけでね。


そうしたら、コレが自分の予想以上にツボっちゃって、いい年こいて毎週キュンキュンしながら観ている体たらく。


還暦真近の片麻痺中途障害者が何やってんだか…。


恋愛ドラマなんて、片麻痺ヤロウにとってはアクション映画と双璧をなすほどに現実を舞台にしているジャンルの物語の中では最も縁遠い世界でしょう。


さしずめ片麻痺ジジイにとっての異世界ファンタジーですね。


それにしても、この時間帯のこのドラマから「顔に泥を塗る」へと繋がる今の流れは、ある意味で奇跡だわ。


個人的には、切なさが止まらない…。


オレの心は未だアラサー女子なのかもしれない…って、ホント単純バカでしょ? まるで付ける薬がないほどの…。


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